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「溶接ヒューム」の濃度測定 結果の保存を義務化

 厚生労働省は、金属のアーク溶接などの作業時に発生する粒子「溶接ヒューム」を、新たに特定化学物質障害予防規則(特化則)の規制対象に位置付けたことに伴い、関連する規定を整備する省令案をまとめた。屋内作業場で新たな金属アーク溶接の作業方法を採用する際に義務付ける溶接ヒューム濃度の測定について、結果の記録・保存を求める。2021年1月上旬にも公布し、施行する。

 省令案では、呼吸要保護具の適切な装着を確認する「フィットテスト」について、義務化の開始を当初予定していた22年4月1日から、23年4月1日へと1年間遅らせる。確認方法の基準であるJISの改正作業が遅れているための措置。

 また、フィットテストや溶接ヒューム濃度の測定、粉じん障害予防規則に基づく粉じん濃度の測定については、結果の記録・保存を電子的に行うことを認めることとした。

 厚労省では、溶接ヒュームへのばく露による労働者の健康障害を防止するため、金属のアーク溶接作業などを継続して行う作業場を対象に、溶接ヒュームの測定方法や、その結果に基づく適切な安全保護具の選択・使用、全体換気などを盛り込んだ告示を制定し、既に公表している。21年4月(一部は22年4月1日)から施行する。