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労働災害の現状や安全対策など学ぶ 宮崎県法面保護協会

      

▲写真は挨拶する工藤会長、研修会の模様

 一般社団法人宮崎県法面保護協会(工藤勝利会長)は10月30日、宮崎市内で2020年度の「労働安全研修会」を開催した。会場では、参加者にマスクの着用や手指の消毒を求めるなど、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底。研修を通じて、建設業に於ける労働災害の現状や事故事例を踏まえた災害防止対策を学んだ。

 協会主催の労働安全研修会は、法面及び斜面工事等に従事する会員企業の技術者を対象として、それぞれの現場の安全管理に役立ててもらおうと、毎年開催しているもの。調査・設計から施工までを安全かつ円滑に行うために必要な知識や技術の習得、施工の信頼性向上、品質及び安全の確保を図ることを主な目的としている。

 主催者挨拶で工藤会長は、協会主催のロープ高所作業特別教育の開催状況や墜落制止用器具の法改正について言及。通常の安全衛生対策に加え、コロナ対策が必要となっている建設現場の現状を踏まえ、「絶対に事故を起こさないという強い気持ちを継続し、本日の講習内容を明日からの現場に役立てて欲しい」と呼び掛けた。

 研修では、宮崎労働基準監督署安全衛生課の地福竹志課長が「労働災害の現状と防止対策」をテーマに講演。県内で発生した重機災害の事例を示し、発生原因と再発防止対策を説明するとともに、各地でコンクリートポンプ車のブームが折損する事故が発生していることを踏まえ、車両の適切な点検や整備のポイントを解説した。

 また、県内で毎年約300件の転倒災害が発生していることから、安全通路の確保や現場の整理整頓を実践する重要性を指摘。一方、会員企業が施工する現場で行った安全パトロールで、危険箇所の注意喚起表示や車止めの着色、緊急搬送経路の表示、リスクアセスメントが実践されていたことを好事例として報告した。

 研修会ではこのほか、株式会社工藤興業で安全管理者を務める佐藤郁朗氏が「工事現場の安全対策」をテーマに講演。ロープ高所作業における労働安全衛生規則や墜落制止用器具に関する法令の改正について説明し、バックホウ使用時や高所を含む危険箇所で作業を行う際の基本的なルールなどについても説明を行った。