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外構工事の計画概要まとめ 内藤記念館再整備事業

 延岡市は、内藤記念館再整備に係る和室棟及び外構工事の計画概要をまとめた。城下町延岡や和の空間を創出する和室棟(木造平屋建延べ191m2)、既存の植栽を活かした格式ある日本庭園の整備、既存の蔵(床面積21m2)の改装を行うほか、屋外エレベーターを設置する。これらの整備に係る概算事業費を5億0139万円と試算する。

 経年に伴う既存施設の老朽化や展示スペースの不足などを背景に、市が保有する歴史・文化に関わる様々な資料を適切に保管しながら有効活用し、郷土への誇りや愛着を醸成する次世代教育の場として、また、全国に向けた情報発信や誘客を図る施設として、内藤記念館を現在地(延岡市天神小路255番地1)に建て替える計画。

 新施設は「延岡の歴史を学び継承し、未来を創造する拠点」をコンセプトに、美術館機能を備えた歴史民俗博物館として、文化庁長官の承認を受けた公開承認施設を目指している。建設中の本館(RC造一部SRC・S造2階建延べ3380m2)は2020年度中に完成する予定で、21年度から和室棟の建設工事や外構工事に着手する。

 外構工事に関しては、整備場所がかつての延岡城西ノ丸であり、藩主の邸宅跡であったことを踏まえ、①城下町延岡や和を感じられる空間②地域や世代を超えた交流の場③文化活動や交流活動を促進する場④人に優しい利便性の高い施設⑤情報発信したくなるスポット⑥市産材を使用し、暖かみのある施設―を整備方針に掲げる。

 和室棟に関しては、城下町延岡や和を感じられる空間を創出するとともに、市民の多様な文化活動・交流拠点となる場、日本庭園と一体となった整備を行い、憩いの場を提供する。敷地東側の立木を整理し、城山の展望を確保するとともに、市産材を活用して暖かみのある施設を整備する。建設工事費は9420万円を見込む。

 外構等に関しては、亀井神社に続く遊歩道が延岡城西ノ丸であったことを踏まえ、外観の白壁や門・蔵を活用した休憩所等を設置。カルチャープラザとの間にある広場の一角に白壁を設置し、敷地内外で城下町の雰囲気を演出する。既存の植栽を活かして、格式ある日本庭園を再整備し、本館や和室棟から風景を楽しめるようにする。

 幅広い年代層の利便性を考慮するとともに、市民に安心して来場してもらうため、13人乗の屋外エレベーターを設置するほか、スロープ等を設置して敷地内のバリアフリーに配慮する。概算工事費は、庭園及び駐車場等が2億7219万円、屋外エレベーターが9000万円を見込む。和室棟を含む工事監理費は4500万円。

 計画ではこのほか、内藤記念館再整備事業に係る新施設の名称も提案。長年、市民に親しまれてきた内藤記念館という呼び方を残しつつ、内藤記念館が再整備される場所が延岡城西ノ丸であり、また廃藩置県後も藩主の邸宅が置かれていたことを踏まえ、新施設の名称に「延岡城・内藤記念館」を提案している。

 市は、こういった計画案をホームページ等で公開し、12月10日まで市内居住者や在勤者等を対象に意見を募集する。意見は、持参や郵送、FAX、電子メールで延岡市教育委員会文化課に提出する。提出された意見は、内容ごとに整理・分類したうえで、これに対する市の考えとともにホームページ等で公表する。