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浄化槽法の整備効果など確認 宮崎県浄化槽研究集会

      

▲写真は挨拶する石川武則会長、研究集会の模様

 宮崎県と一般社団法人宮崎県浄化槽協会(石川武則会長)は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を見合わせていた「第23回宮崎県浄化槽研究集会」を、11月13日に宮崎市清武文化会館(半九ホール)で開催した。場内では新型コロナ感染防止対策を徹底したうえで、浄化槽の施工・維持管理や処理技術等を学んだ。

 浄化槽行政が抱える課題や浄化槽の施工・維持管理に関わる諸問題の解決、また、浄化槽に関する高度処理技術等の習得を図ることを目的として、浄化槽関係事業者や行政関係職員を対象に毎年開催しているもの。宮崎県浄化槽普及促進協議会や公益財団法人宮崎県環境科学協会、宮崎県管工事協同組合連合会が後援した。

 主催者挨拶で石川会長は、春先に開催予定だった研究集会がコロナ渦で順延となったにも関わらず、多くの関係者の参加を得られたことに感謝の意を示すとともに、業界の発展のためにも、知識や技術を習得する研究集会が不可欠であることを強調。「顧客の声に真摯に耳を傾け、感謝される業界を目指していきたい」と述べた。

 研究集会では、常葉大学名誉教授の小川浩氏が「宮崎県における汚水処理事業と浄化槽による整備効果」をテーマに講演。改正浄化槽法の概要や浄化槽整備に伴う水路の水質改善調査結果、下水道と浄化槽を適切に組み合わせた汚水処理人口の普及率向上、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換促進などについて説明した。

 一般財団法人福岡県浄化槽協会の杉本崇氏は、「サカマキガイの影響で水質が悪化した浄化槽の改善事例」について発表。同協会が実施している水質悪化原因調査制度の概要を説明し、市販駆除剤や消石灰、硫安と消石灰、タイマー設置による間欠ばっ気をそれぞれ用いた水質改善事例について、データを示しながら解説した。

 研究集会ではこのほか、宮崎県環境森林部環境管理課水保全対策担当の竹田智和氏が「本県における浄化槽行政の取組と課題」について報告。宮崎県浄化槽協会県央地区協議会の中山基貴氏(株式会社産商)は、「浄化槽保守点検に係る取り組み」をテーマに、米のとぎ汁乳酸菌を活用した水質改善の取り組みなどを発表した。