▲写真は挨拶する黒木社長、安全祈願祭の模様
宮崎県が整備を進めている国道219号岩下工区(西都市中尾)のうち、岩下トンネルの掘削工事に着手するにあたり、本体工事を施工する旭・大和・五幸特定建設工事共同企業体は11月12日、現地で安全祈願祭を行った。西都土木事務所や西都市、地元関係者、施工業者らが出席し、神事を通じて無事故の工期内完工を祈願した。
熊本市から宮崎市に至る国道219号は、災害時に県内外からの救命・救急や物資の輸送等を担う「命の道」として、優先的に啓開する道路に指定されているが、岩下工区は線形が悪いうえ、特に既設の岩下隧道は幅員が狭く、大型車の離合が困難な状況にあり、異常気象時には落石崩土や路肩決壊等による交通途絶が発生している。
幅員狭小や線形不良、災害等の危険性を解消し、緊急輸送道路としての機能向上を図るとともに、安全安心な交通を確保するため、県は2015年度から岩下工区の整備に着手。整備延長は約1㎞で、現道の一部を改良しつつ、岩下トンネルや橋梁を中心としたバイパスを整備する。最終的に22年度の整備完了を目指している。
岩下トンネルの本体工事は、旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役)、大和開発株式会社(境一成代表取締役)、株式会社五幸建設(河野裕介代表取締役)の3社で構成する特定建設工事共同企業体が施工する。工事概要は、NATM工法によるトンネル本体工(延長612m)と坑門工2基。工期は2022年3月までを予定している。
12日に現地で行われた安全祈願祭には、西都土木事務所の大森高広所長、宮崎県議会の浜砂守議員、西都市の押川修一郎市長のほか、施工業者や協力会社、現場事務所の代表者らが出席。地元神社の宮司による祝詞奏上や清祓い、関係者による地鎮の義や玉串奉奠を通じて、無事故・無災害の工期内完工を全員で祈願した。
施工者を代表して挨拶した旭建設の黒木社長は、岩下工区が地域の産業や経済を支えるほか、緊急輸送道路としても重要な路線であり、早急な整備が必要であることを強調。トンネル施工を請け負う特定JVが、発注者や協力会社と一致協力して工事にあたり、他の模範となるよう、工期中の安全確保を徹底することを約束した。