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林道開設・拡張や治山事業など推進 耳川森林計画案

 林野庁九州森林管理局は、2021年度から30年度までの10箇年を計画期間とする「耳川国有林の地域別の森林計画書案(耳川森林計画区)」をまとめた。日向市及び東臼杵郡を包括する1市2町2村の国有林(1万2021㌶)を対象に、近年の気候変動の影響を踏まえつつ、林道の開設や拡張、治山事業などに取り組む。

 国有林における地域別の森林計画は、長期的な視点に立った計画的かつ適切な森林の取扱いを推進するため、該当する森林計画区における国有林野及び公有林等官行造林地の整備や保全に関する基本的な事項を定めたもの。森林法の規定に基づき、全国森林計画に即して森林管理局長が5年ごとに10年を1期として策定する。

 前計画の直近5箇年の実行結果によると、入札不調等で主伐と間伐のいずれも計画量を下回り、主伐箇所の減少に伴って造林面積も計画量を大きく下回る結果となった。一方、林道開設等は林業専用道を主体に、治山事業は保安林の整備及び保全施設を中心に、それぞれ優先度の高いものから実行したが、計画量を下回った。

 次期計画では、森林の有する諸機能が発揮される「流域」を基本的な単位として、水源涵養や山地災害防止、土壌保全、快適環境形成、木材生産等の機能を発揮するための森林施業の面的な実施に加え、林道等の路網整備、山地災害の防止、病害虫や野生鳥獣害の被害対策といった森林の保護等に係る取り組みを推進する。

 このうち、林業専用道の開設は、日向市で10.4㎞(5箇所)、美郷町で2.5㎞(1箇所)、椎葉村で11.0㎞(6箇所)の合計23.9㎞(12箇所)を計画。林道及び林業専用道の舗装・改良は、日向市で3.1㎞(13箇所)、美郷町で2.1㎞(10箇所)、椎葉村で6.9㎞(34箇所)の合計12.1㎞(57箇所)を計画する。

 一方、渓間工や山腹工、護岸工、本数調整伐、除伐、植栽工等の治山事業に関しては、実施すべき施工地区数を日向市19地区、美郷町16地区、諸塚村4地区、椎葉村123地区とした。このうち、計画期間の前半5年の施工地区数は、日向市16地区、美郷町16地区、諸塚村4地区、椎葉村105地区としている。

 このほか、間伐立木材積とその他の伐採立木材積の総数を63万1000m3(前半5箇年で31万3000m3)、間伐面積の総数を4815㌶(同2397㌶)、人工造林面積を578㌶(同247㌶)、天然更新造林面積を247㌶(同122㌶)としている。

耳川森林計画書案