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景観計画を10月施行、建築物等に行為制限 美郷町

 美郷町は、良好な景観の形成に関する基本的な方針を定めた「美郷町景観計画」を策定し、10月1日に施行した。町全域を景観計画区域と定め、「豊かな自然と古くから引き継がれる歴史文化が融合した美しい郷」の景観づくりを目指す。区域内では、一定規模の建築物・工作物等に届出義務や行為制限(景観形成基準)を設ける。

 計画では、4つの景観構造別に景観づくりの基本方針を設定。このうち、まちなか景観では、歴史文化的景観と調和した景観の保全や、景観形成重点地区と定める南郷町の師走祭り開催地周辺、西郷町の御田祭開催地周辺、北郷町の宇納間地蔵尊周辺から眺望できる山林景観の保全、賑わいと交流を育む景観づくりに取り組む。

 また、集落景観では、水田や畑における四季折々の景観の保全や、集落の魅力を引き出す景観づくりを推進。河川・道路・山林景観では、国道327号や388号といった幹線道路からの見通しの確保や、太陽光パネルの設置に対するルールづくりを行う。歴史文化的景観の維持や埋没した歴史文化的資源の磨き上げにも取り組む。

 良好な景観を保全・形成するため、一定規模以上の建築物や工作物の新設・増築・改築・移転、3000m2以上の開発行為(景観形成重点地区は1000m2以上)のほか、屋外での土砂・再生資源等の集積または貯蔵を届出対象とする。合わせて、建築物・工作物の高さや配置、意匠、材質、色彩といった景観形成基準も設定する。

 歴史的に重要な建造物や樹木は、良好な景観形成を進めるうえで重要な要素となるため、一定の基準を満たすものを景観重要建造物、景観重要樹木に指定し、保全と活用を図る。屋外広告物に関しては、宮崎県の「屋外広告物条例」に基づく取り組みを継続し、町独自の取り組みが必要となった場合には、県と協議を行う。

 一級河川小丸川や国道327号、国道388号、国道446号、葉桜ふれあい公園など、多くの町民から親しまれる主要な道路や河川、公園等は、地域の景観を形成する主要な要素の一つであるため、これらを景観重要公共施設に指定。周辺の景観に十分に配慮し、河川の緑化や護岸、道路の外灯や歩道などを整備する。

美郷町景観計画