建設ネット企画画像 四角 四角

優れた技術、安全施工を称える 防災庁舎建設表彰式

      

▲写真は表彰式の模様

 宮崎県は、災害時の緊急対応や復旧・復興対策を円滑に実施するために整備した「宮崎県防災庁舎」の建設表彰式を、10月21日に防災庁舎で行った。庁舎整備に係る設計監理や本体建設工事、外構工事、5号館の移転・改修、内部レイアウト等に携わった延べ21社に河野俊嗣知事が表彰状を贈り、各社の優れた技術や安全な施工を称えた。

 防災庁舎は、「県民の生命と財産を守る庁舎」「人や環境にやさしい庁舎」などをコンセプトに、旧外来者第1駐車場の跡地に建設した。構造は、鉄骨造一部鉄筋コンクリート造、階数は地下1階地上10階、延床面積は2万4406m2。県庁舎としてはじめて免震構造を採用したほか、1階床面の嵩上げ等により耐浸水性を確保した。

 庁舎の地階には駐車場、屋上には防災救急ヘリコプター等が発着できるヘリポートを設置。敷地南側に寄せて庁舎を配置し、災害時には緊急車両の駐車スペースなど、平常時にはイベント等に活用できる防災広場を北側に確保した。歴史的・景観的価値を有する5号館は曳家工法で庁舎北側に移設し、創建当時の状態に復元する改修も行った。

 新庁舎の1階と2階に福祉保健部、3階に危機管理統括官室と危機管理局、6階に病院局、7階に工事検査課、8階と9階に県土整備部がそれぞれ入居し、8月から業務を開始。3階~7階は危機管理防災センターと位置付け、災害時に関係機関と連携しながら災害対応等にあたるほか、平常時は研修室や会議室として使用する。

 表彰式で挨拶した河野知事は、新型コロナウイルス感染症への対応が必要となる中、優れた技術と安全な施工で工期内に庁舎を完成させた各社の尽力に感謝の意を示すとともに、「災害時の公助の拠点となる庁舎を有効活用し、様々な対応を図っていきたい」「命を守る拠点整備に携わる建設産業の重要性もアピールしていく」と述べた。

 受賞者を代表して謝辞を述べた株式会社山下設計の藤田秀夫代表取締役社長は、地震や浸水に対する安全を確保し、災害対策の司令塔として迅速かつ適確に機能するよう設計していることを説明。県民の安全・安心を守る施設として活用されることに対し、「建設に携わった者として、これほどありがたい喜びはない」と述べた。

 同じく戸田建設株式会社九州支店の大井清司支店長は、「このような重要な工事に携われたこと、また、関係者の御協力によって無事故・無災害で竣工を迎えられたことに対し、全施工者を代表して御礼申し上げる。今後、庁舎がその役割を十二分に発揮し、県民に末永く愛される施設となることを期待している」と述べた。

*表彰対象工事・業務と受賞者は次のとおり。
▽宮崎県防災庁舎建設工事監理等業務委託=山下設計・岩切設計・ごとう計画・設計・工事監理業務共同企業体(株式会社山下設計、株式会社岩切設計、株式会社ごとう計画・設計)
▽宮崎県防災拠点庁舎建設主体工事=戸田・吉原・大和開発特定建設工事共同企業体(戸田建設株式会社、吉原建設株式会社、大和開発株式会社)
▽宮崎県防災拠点庁舎建設電気工事=三桜電工・電工社・小田電業特定建設工事共同企業体(三桜電気工業株式会社、株式会社電工社、株式会社小田電業)
▽宮崎県防災拠点庁舎建設空調工事=江坂・富士建・藤岡特定建設工事共同企業体(江坂設備工業株式会社、富士建工業株式会社、藤岡工業株式会社)
▽宮崎県防災拠点庁舎建設管工事=エイワ・四季特定建設工事共同企業体(株式会社エイワ、有限会社四季設備)
▽宮崎県防災拠点庁舎建設外構工事他=都北産業株式会社
▽県庁5号館移転工事=上田工業株式会社
▽県庁5号館改修工事=坂口建設株式会社、株式会社九南、江坂設備工業株式会社
▽宮崎県防災拠点庁舎建設に伴う地盤調査業務委託=富士工業株式会社
▽宮崎県防災拠点庁舎建設に係る什器備品整備・移転計画策定業務委託=コクヨマーケティング株式会社。