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体育館整備事業、民間対話の結果を公表 宮崎県

 宮崎県は10月9日、県体育館整備事業に関するマーケットサウンディングの実施結果を公表した。2024年度から建設業に適用される時間外労働の上限規制に関連して、4週8休で工期を設定した場合、現在の想定工期では不足するとの意見が寄せられたほか、配置技術者の施工実績要件に関して、緩和を求める要望があった。

 延岡市民体育館の敷地内に新設する体育館は、メインアリーナ及びサブアリーナを段階的に整備する。基本設計段階の建築規模は、低層部が鉄筋コンクリート造、屋根部が鉄骨造と木造、階数は地上2階建、延床面積は1万2980m2。施設整備に係る設計業務は石本・宮崎設計業務共同企業体が担当し、現在は実施設計が進む。

 建設工事の発注に先立ち、建築一式工事に係る入札参加資格の認定を受けている事業者を対象に、マーケットサウンディングの参加事業者を募集。9月24日から25日にかけて、総合建設業者4社と▽公募条件▽工期▽施工計画▽工事費▽取組意欲―に関する事項について意見を交わし、実施結果をホームページで公開した。

 公募条件に関しては、施設規模5~7割程度の同種工事であれば、会社としての施工実績は問題ないと応じた一方、体育館の施工実績を持つ配置技術者が不足しているとの意見が複数あり、「施工実績の施設用途を体育館に限定しない」「現場代理人や係員としての従事工事も実績として認める」といった要件緩和を求める要望があった。

 また、工期に関しては、いずれの事業者も4週8休での工期設定を希望していたが、これを想定した場合、現在の想定工期(約45カ月)では不足するとの意見が複数あった。このほか、サブアリーナ建設時の鉄骨調達に時間を要する可能性があり、サブアリーナ完成が予定時期より遅れる場合もあるとの意見もあった。

 一方、工事費に関しては、積算期間の短縮や見積精度を高めるため、参考内訳や特殊単価(見積単価)の公表を求める要望があった。新型コロナウイルス感染症の影響で、全国的に建設投資が減少傾向にあるものの、作業員不足の影響もあり、建設コストや施工単価に大きな上がり下がりはみられないとの意見があった。

 参加した事業者からは、屋根架構の木材調達について、品質の保証や歩留まり等の観点から発注者側での手配を希望する意見があり、現時点では施工者側での手配を予定している旨を伝えるとともに、鹿児島国体延期による影響に関する質問に対して、当該事業の施設整備スケジュールに変更はない旨を説明した。

 新たな体育館の建設は、既存体育館(別館)解体~サブアリーナ建設~既存体育館(本館)解体~メインアリーナ建設のローリング計画で進める。事業スケジュールでは、20年度に別館解体工事、21~22年度にサブアリーナ建設工事、22~23年度に本館解体工事、23~24年度にメインアリーナ建設工事を予定している。

対話の実施結果