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今後発注が予定されている大型建築プロジェクト

 今後発注が予定されている県内の主な建築プロジェクトについて、整備内容や進捗状況、発注予定時期等をまとめた。
 国は、延岡労働総合庁舎や新田原基地の施設整備を実施。宮崎県は、2026年の国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、大会の主要会場と位置付ける陸上競技場や体育館、プールを関係市町や民間事業者等と連携して整備する。また、東京ビルの建替に向けた検討も進める。
 市町村では、日南市と五ヶ瀬町が庁舎の建て替えを計画。また、宮崎市が市営団地建替PFIや生目地域複合型施設の整備、串間市が道の駅くしまの整備、都城市が上長飯一万城地区体育館の移転新築、日向市が細島小学校の校舎改築、美郷町が西郷地区義務教育学校の整備、延岡市が野口遵記念館の整備などに取り組む。
 独法・民間関係では、西都児湯医療センターの再整備やまちづくり延岡による延岡駅前地区再開発ビルが計画されている。

◆ 延岡労働総合庁舎(国土交通省)

 延岡市内に延岡労働総合庁舎を新築する計画。施設整備に係る設計業務に関して、九州地方整備局は昨年10月、あい設計と契約を締結した。当該業務では、延岡労働総合庁舎の新築及び新築予定地にある延岡労働基準監督署の取り壊しに係る設計業務を行う。履行期間は20年3月27日までを予定している。

◆ 新田原基地施設整備(熊本防衛支局)

 日米両政府が18年に合意した「新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備」に基づき、緊急時に米軍の戦闘機や輸送機、兵士を受け入れるため、新富町の新田原基地に倉庫や火薬庫、燃料施設を新設するほか、誘導路等の整備等を実施する。各施設は22年度までに完成させ、アメリカ政府に提供する。
 建築関連では、昨年12月に「倉庫新設等建築その他工事」「同電気その他工事」「同機械工事」をそれぞれ公告。倉庫A(S造平屋建延べ約1,400m2)、倉庫B(RC造平屋建延べ約40m2)、機械室(RC造平屋建延べ約10m2)の新設のほか、既設建物解体等に係る各種工事を施工する。いずれも20年2月に開札する。
 このほか、昨年7月には「庁舎新設建築その他設計」を海渡設計に委託している。RC造地上3階・地下1階、延床面積約7,000m2の庁舎新設工事及び付帯土木工事、自転車置場新設、既設建物解体に係る設計業務を行うもの。履行期限は20年3月15日まで。11月には「庁舎新設設備設計」を産研設計に委託した。

◆ 国体主要施設整備(宮崎県・関係市)

 2026年の国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の開催にあたり、既設の県有体育施設の多くは施設や設備の老朽化が進んでいるほか、国体開催に必要となる施設基準を満たしていないなどの課題を抱えているため、陸上競技場を都城市山之口運動公園、体育館を延岡市民体育館敷地、プール施設を宮崎市内にそれぞれ整備する。

【陸上競技場】
 山之口運動公園(都城市山之口町花木)の区域を現在の約11㌶から約22㌶に拡張し、敷地内に第1種公認の陸上競技場、第3種公認の補助競技場、投てき練習場、多目的広場、公園施設、駐車場等を整備する。施設整備費は、調査・設計等を約11億円、造成等を含む建設工事費を約200億円と試算する。
 第1種公認の陸上競技場は、▽トラック(全天候舗装型)400m×9レーン▽フィールド(天然芝)107m×73m▽屋根付き観覧席(メイン・バックスタンド)▽ナイター設備―などを設け、床面積の合計を2万5,000m2程度(芝生席など屋根の無い観覧席を含む)、観客席を1万5,000席以上(芝生席を含む)とする。
 現在は、主競技場を含む施設の設計が佐藤・益田設計業務共同企業体で進むほか、敷地造成や調整池の設計等にも取り組んでいる。施設本体の設計期間は21年3月25日まで。約2年をかけて基本・実施設計を行い、入札手続き等を経て、21年度に本体建設工事に着手する。最終的に24年度末の施設完成を目指す。

【体育館】
 延岡市民体育館の敷地内に新設する体育館は、メインアリーナ及びサブアリーナを段階的に整備する。全体の延床面積は1万2,500m2程度を想定し、メインアリーナには固定席2千~3千席、可動席1千~2千席を配置する。施設整備費は、調査・設計等を約5億円、本体建設工事費や外構工事費等を約85億円と試算する。
 整備に際しては、既存の市民体育館の別館を取り壊し、その跡地を含むスペースにサブアリーナを建設する。サブアリーナの供用開始後、既存の市民体育館の本館を取り壊して、跡地にメインアリーナを建設する。段階的にサブアリーナとメインアリーナの整備を進めることで、既存の市民体育館の利用に配慮する。
 現在は施設整備に係る設計業務が石本・宮崎設計業務共同企業体で進む。19~20年度に施設整備に係る設計を進め、19年度には農地転用等の手続きや造成設計も行う。既存施設の解体や造成工事を順次進め、21~22年度にサブアリーナ建設工事、23~24年度にメインアリーナ建設工事を行う予定でいる。

【プール】
 交通アクセスに優れた宮崎市錦本町県有グラウンドに、国内一般AA基準に準拠した競泳用50mプール及び25m補助プールを整備する。平面イメージ等を踏まえた施設の階数を地上3階地下1階、延床面積を1万2,120m2程度と想定。全屋内型とした場合の施設整備費は、調査・設計等を約9億円、建設工事費等を約98億円と試算する。
 施設の設計・建設から維持管理・運営までを一括して民間事業者が行うPFI方式の採用を視野に、導入に向けた可能性調査を進めていたが、民間業者や金融機関等を対象にヒアリングを行った結果、複数の事業者が関心を示し、民間の創意工夫を結集した提案が可能であることが確認されたため、施設整備にPFI手法を導入する。
 計画では、20年3月にPFI法に基づく事業の実施方針を公表し、4月~9月に行う競争的対話や質問回答を踏まえ、9月にもPFI法の特定事業に選定する。11月に事業を告示し、事業提案の審査等を経て、21年6月に落札者を決定する予定。プール以外の余剰地の活用に関しても、民間施設の整備等を視野に検討を進める。

◆ 東京ビル建替検討(宮崎県)

 竣工から46年が経過する既存の東京ビル(東京都千代田区九段南4丁目8番2号)は、職員宿舎が入居するA棟(8階建)、フロンティアオフィスや職員寮・学生寮が入居するB棟(10階建)のほか、地階に倉庫や浴室、電気室・設備室等が配置されている。建物の構造はSRC造で、延床面積は5,588m2。
 既存建物は躯体や設備の老朽化が進み、維持管理費が嵩んでいることに加え、更なる土地の高度利用化や立地環境の有効活用を検討する必要があることから、県は今後の方向性について「再整備(建替)が最も適当」との考えを示し、PPP手法の活用等を視野に入れた施設整備を検討する。
 昨年11月には、東京ビルの建替における整備・管理運営手法の調査をみずほ総合研究所に委託。業務では、「施工事業者が現在の東京ビルを解体し、同じ場所に建物を再建築して、事業期間(70年以下)終了後に解体する」といった前提条件や、施設の規模及び活用方法に係る整備パターンを踏まえ、想定される整備・管理運営手法の比較・検討、シミュレーション、報告書の作成を行う。

◆ 宮崎市庁舎整備・あり方検討(宮崎市)

 防災拠点としての耐震性や洪水による浸水の可能性、分散化・狭隘化など市庁舎が抱える課題を踏まえ、市は「推定耐用年数である28年までは維持管理を行いながら現庁舎を活用し、その間、基金等の財源確保に努め、建て替えを含めた庁舎のあり方を更に検討する」とした一定の方針案を示している。
 昨年度には、市庁舎の整備や今後のあり方を話し合う市民懇話会が「更なる長寿命化ではなく、庁舎の建て替えが望ましい」といった懇話会の考え方を報告書としてまとめ、市に提出した。市は、20年度までに庁舎整備に係る最終方針を決定し、建て替えとなった場合は21年度以降に基本構想を策定する。
 懇話会の中で、市が参考として示した整備イメージは、現地建て替えが分棟方式及び1棟集約方式の5パターン、移転建て替えが1棟集約方式の2パターン。
 いずれも、関係法令の制約の中で考え得る最大限の規模(延床面積4.5万~5万m2)を想定した。整備期間は、現地建て替で最短でも約6.5年、移転建て替えで約4年が必要と試算。概算事業費は、現地建て替えで約231億円~262億円、移転建て替えで約237~275億円を見込む。

◆ 複合型アリーナ構想(宮崎市)

 ライブやエンタテインメント等に活用できる多機能複合型アリーナをJR宮崎駅東側に整備する計画。19年3月に市がまとめた「アリーナ基本構想」では、民間事業者が所有する宮崎駅東口の駐車場用地(面積6,454m2)を最適候補地と位置付けた。事業手法は「民設民営」を基本として、意欲ある事業者の誘致に注力する。
 施設規模に関しては、スポーツイベントやライブ・エンタテインメントでの使用など、様々な視点から検討を行い、ライブ・エンタテインメント時の収容人数を6,000人以上、座席数を4,000席以上、アリーナ部分面積を約2,400m2、建築面積を約5,000m2と想定している。詳細に関しては、今後の設計業務等で詰める。
 事業手法は「民設民営」を基本とし、19年度は意欲ある事業者の誘致に注力する。ただし、民設民営の手法を採るに至らなかった場合の次善の策として、「官民連携(PPP)」をはじめとする最適な手法も同時に検討する。民設民営の場合で23年度頃、PPPの場合で25年度頃の供用開始といったイメージも示した。

◆ 市営団地建替PFI(宮崎市)

 宮崎市西佐土原地区に位置する市営住宅新町・追手団地建替事業にPFI方式を適用する。「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に基づき、19年8月に実施方針を策定する予定でいたが、浸水対策の調査に伴い事業の実施時期を見直す必要が生じたため、実施方針の公表を延期した。
 対象団地は、▽新町団地▽追手団地の一部▽宝塔山団地▽今坂団地▽都甲路団地▽那珂団地―の6団地。計画では、鉄筋コンクリート造4~5階建の団地3棟を新町団地敷地に整備するとしており、整備戸数は約100戸とする。このほか、集会所や公園、国県道へのアクセス道路の整備、浸水対策等も行う。
 昨年2月に開いた説明会では、これらの施設整備に係る設計や施工に加え、入居者移転支援、国費及び交付金等申請関係書類等の作成支援、会計実地検査の支援等も行うことを担当者が説明。民間事業者が施設等を整備し、所有権を移転するBT(Build Transfer)方式を採用するなどの方針を示した。

◆ 生目地域複合型施設整備(宮崎市)

 老朽化した生目公民館の建て替えにあわせて、生目地域センター、生目児童館など周辺の主な公共施設等の機能を集約した複合施設を建設する。対象予定施設は▽生目公民館▽生目児童館▽生目地区社会福祉協議会▽生目地域センター▽生目・小松台地域包括支援センター▽高齢者ふれあい室―の6施設。
 建設場所は生目公民館等が立地する宮崎市大字浮田の敷地。新施設の規模は、鉄筋コンクリート造、地上2階または3階建、延床面積は1,900m2程度とする。児童向け遊戯室や高齢者ふれあい室、図書室、学習室、会議室、事務室、多目的ホールのほか、地区社会福祉協議会や地域センター等の事務局を配置する。
 施設整備に係る基本・実施設計は、ごとう・大東特定委託業務共同企業体が担当。事業スケジュールによると、19年度は設計業務のほか、既存施設の解体設計や地質調査等を行い、20年度に既存施設の解体工事を行う。本体建設工事は20年度~21年度に実施。21年度に外構工事を行い、22年度の供用開始を目指す。

◆ 小戸保育所整備(宮崎市)

 老朽化が進む小戸保育所の園舎を建て替える計画。既存の小戸保育所を稼動させながら、隣接する旧小戸母子生活支援施設跡地に新園舎を建設する。新施設の延床面積は約1,000m2程度。利用定員は100人程度を想定するが、弾力的な施設の運用に対応するため、120人まで受入可能とする。
 昨年12月には、施設整備に係る基本・実施設計業務を岩切設計に委託した。工事参考額は約4億円。事業スケジュールでは、19年度に旧小戸母子生活支援施設を解体し、新園舎建設工事の入札・契約手続きを20年12月~21年3月に行う。新園舎等建設工事は21年3月下旬~22年2月を予定する。

◆ 本庄小学校校舎長寿命化(国富町)

 学校教育の充実や教育環境の整備の一環として、町立本庄小学校で緊急性が高い校舎の大規模改修等を行う。対象施設は、1970年代に建設された北校舎及び南校舎、渡り廊下等の付帯施設を計画し、小中学校で進めている空調設備設置も合わせて行う。
 昨年8月には、施設整備に係る基本・実施設計業務を共立設計に委託した。委託期間は20年3月31日まで。19年度内に設計業務を完了させ、計画が順調に進めば20年度にも建設工事を発注する見通しでいる。

◆ 日南市役所新庁舎建設(日南市)

 経年に伴う既存庁舎の老朽化や耐震性能不足等の課題を解消するため、敷地内に新たな庁舎を建設する計画。現在の本館及び議会棟を解体後、保健福祉総合センターの東側に新庁舎を建設し、駐車場や広場等を整備する。新庁舎の想定規模は6,400m2を上限とし、詳細な規模は基本設計の中で精査して決定する。
 昨年8月には新庁舎建設設計業務を山下設計・岩切設計JVに委託。新庁舎建設に係る基本・実施設計業務や説明会等の開催に伴う支援業務、庁舎整備に必要な各種申請業務を行う。庁舎の構造は、免震構造の採用を軸に計画を進めるが、地質調査等の結果を踏まえて正式に決定する。業務の履行期間は21年3月31日まで。
 同社の提案では、新庁舎の構造をRC造+免震構造、階数は周辺の景観と調和し、市民が利用しやすい3階建てを計画。庁舎内に「みんなのロビー」、庁舎前面に「みんなの広場」や「交流館」といった人が集まる空間を創出し、これらを「みんなの回廊」で繋ぎ合わせ、庁舎内外で市民活動が展開できるようにする。
 免震構造を採用した場合の概算事業費は39億円程度。整備手法は設計・施工分離発注方式(従来方式)とする。事業スケジュール案では、19年度~20年度に基本・実施設計、20年度に既存本館及び議会棟解体工事、21~22年度に新庁舎建設工事及び外構工事を行い、22年度の工事完了を予定している。

◆ 道の駅北郷整備(日南市)

 旧北郷町総合支所や北郷農村環境改善センター等が立地する北郷町郷之原の敷地(約1万6,000m2)に、休憩機能や情報発信機能、地域連携機能等を備えた施設を整備する計画。施設の規模を900~1,000m2程度と概算する。
 敷地内には複合遊具の配置を計画するほか、地域コミュニティバスの停留所や防災倉庫の設置、サイクリング機能の付加も検討する。建築物には地元産材である飫肥杉を活用し、周辺の景色と一体となったグランドデザインにも配慮する。
 昨年2月には、全国から応募のあった40作品の中から、蟻川建築設計事務所(東京都)のデザインを採用することを決めた。デザインを基に同社が配置計画等の詳細を詰め、19年度に市が施設整備に係る基本設計を行う。
 設計費を含む事業費を約4~6億円、既存施設の解体費を2億円程度と概算する。20年度以降に施設整備に係る実施設計や本体建設工事を行い、計画では22年度中の開業を目指している。

◆ 道の駅くしま整備(串間市)

 道の駅くしま(仮称)は、市民及び道路利用者に良好な休憩場所を提供するとともに、地域情報の発信や地元産品の販売等を通じて、地域の活性化に寄与するもの。合わせて、市民や観光客等の来訪者の交流促進を図り、地域の防災拠点や市民の福祉向上としての機能を発揮することも期待する。
 建設予定地は、JR串間駅、国道220号及び448号、県道今別府串間線等の広域交通網のクロスポイントとなるJR串間駅西側のエリア(敷地面積=約1.9㌶)。敷地内に配置する物販・飲食棟、市民交流棟、屋根付きイベント広場、情報施設棟はいずれも木造平屋建。駐車場や緑地、外構等も整備する。
 施設整備に係る実施設計は宮崎設計が担当。19年度までに地中埋設物等の撤去や敷地造成工事を完了させ、20年度早期に建設工事に着手する見通しでいる。計画では21年3月の開業を目指している。

◆ 高原町役場庁舎整備(高原町)

 耐震性能の不足や経年劣化といった役場庁舎が抱える課題への対応として、耐震化で整備することとしていたこれまでの整備計画を、建て替えも視野に再検討する。
 現在の役場庁舎(大字西麓899番地、RC造約3,000m2)は1973年に竣工。建設から40年以上が経過し、施設本体や設備の経年劣化が進むとともに、国が定める耐震基準を満たしていない状況にあることから、4階部分を撤去して補強工事を行うなど、施設の耐震化を図る方向で計画を進めていた。
 ただ、17年度に行った耐震補強設計の段階で、既存庁舎のアスベスト除去に伴う仮設庁舎の建設など、事業費が大幅にかさむことが判明。水道設備が耐用年数を超過していることや、庁舎が手狭になることも踏まえ、新庁舎の建設も視野に整備計画を再検討する考えを高妻経信町長が議会で示した。
 役場内部の公共施設等整備検討委員会で建替計画が認められれば、町民の代表らを交えた新庁舎建設検討委員会を立ち上げ、基本構想等について意見を交わす。

◆ 物産振興拠点施設整備(都城市)

 都城圏域の農畜産物や加工品・工芸品等の展示即売コーナーのほか、地元の食材を味わえるレストラン、休憩コーナー、情報発信コーナーなどを有する「道の駅都城」(都北町)を大幅にリニューアルし、物産振興と交流人口の拡大や地域活性化につなげる。
 今後の物産振興の方向性を定めた「都城市物産振興基本計画」の中で、食や特産品の提供・販売に加え、商品開発支援機能や外商機能を有し、団体客の受け入れにも対応できる「物産振興拠点施設の整備」を主要施策の一つに盛り込んでいた。
 施設整備や運営組織のあり方等に対して助言・提案を行うアドバイザーと連携しながら、プロジェクトを展開する。19年度は、施設整備に係る基本計画を策定し、新施設の機能や規模、レイアウト等を決定するほか、運営組織の設立準備を進める。
 年次的に必要となるソフト・ハード整備に順次取り組み、計画が順調に進めば、21年度の施設完成を目指す考えでいる。

◆ 上長飯一万城地区体育館移転新築(都城市)

 建設から多年が経過し、施設や設備の老朽化が進む上長飯一万城地区体育館を都城東公園に移転新築し、地域に於ける健康増進及び生涯スポーツの振興を図る。整備期間は19年度~22年度を予定し、19年度は施設整備に係る設計及び調査を行う。
 移転新築する地区体育館の計画規模は、RC造・S造平屋建、建築面積は1,000m2程度。必要諸室は▽玄関ホール▽管理室▽用具倉庫▽女子更衣室▽多目的トイレ・男子トイレ・女子トイレ▽シャワー室▽倉庫―などで、避難所機能も検討する。
 現在は、地区体育館整備に係る基本・実施設計のほか、都城東公園公衆便所新築に係る基本・実施設計、敷地内にある児童プール及びそれに附属する施設の解体設計が益田設計事務所で進む。委託期間は20年3月13日までを予定している。

◆ 市営花木団地建替(都城市)

 建設から40年以上が経過し、建物の老朽化が進む都城市山之口町の市営住宅花木第3団地及び第4団地を、第3団地敷地に集約して2棟で建て替える計画。新施設の規模はRC造5階建2,150m2程度(40戸)×2棟とし、木造平屋建の集会所も新築する。
 施設整備に係る設計業務はアトリエ匠一級建築士事務所が担当。第3団地に関しては、19年10月に建築主体工事、12月に設備工事の入札を執行し、建築主体工事は吉原・浜広JVが落札した。今後、残る第4団地等の整備に取り組む。

◆ 西都児湯医療センター再整備(西都児湯医療センター)

 昭和55年建設の現病院(RC造3階建延べ3,535m2)は、経年に伴う施設や設備の老朽化・狭隘化等を背景に、許可病床91床のうち65床しか確保できていない。病院としての機能強化を図るとともに、医師を惹きつける魅力ある施設へ再整備するため、移転新築を軸に計画を進める。17年3月に基本構想を策定した。
 許可病床数を確保できる施設を目指すことから、近年の自治体病院の平均的な1床当たり面積を参考に、病院本体の延床面積を7,700m2程度と試算。災害拠点病院の整備基準に準拠するため、免震構造等を検討すると共に、構造体の耐震安全性の目標は▽構造体Ⅰ類▽建築非構造部材A類▽建築設備甲類―を基本とする。
 これまでに施設整備に係る基本計画案をまとめ、国に対して病院事業債の仮申請を行った。建設場所に関しては、既存施設の東側を候補地として、建物等の調査を進めている。当初の計画では、建設場所の造成や新病院建設に係る設計及び工事等を段階的に行い、21年度の開院を目指していた。

◆ 富田小学校講堂建替(新富町)

 建設から40年超が経過する富田小学校(富田東1丁目)の講堂を敷地内に建て替える計画。国の防衛施設周辺防音事業を活用し、建物本体や設備の経年劣化が進む講堂を建て替えることで、防災機能の強化を図り、災害時等の生徒の安全を確保する。
 新設する講堂の規模は、RC造平屋建延べ1,200m2程度を想定。昨年6月には施設整備に係る実施設計業務を三嶋建築企画設計事務所に委託した。委託期間は20年1月30日まで。計画が順調に進めば、来年度に着工する予定でいる。

◆ 総合保健福祉センター整備(都農町)

 健康推進機能や社会福祉機能を集約した「総合保健福祉センター」を整備する。町民の健康増進や児童及び高齢者等の社会福祉を展開する拠点であると同時に、地域コミュニティや生涯学習の場としての活用も期待する。
 整備候補エリアは、都農町国民健康保険病院(大字川北5202)の近接地。新病院を医療ゾーン、新たに整備する総合保健福祉センターを健康福祉ゾーンとそれぞれ位置付け、両施設の連携を図りながら一体的に機能させる。
 宮崎大学と締結したまちづくり協定を踏まえ、これに伴う機能が必要となったことから、旧病院を解体して新施設を建設する方針。施設整備に係る設計は別当設計。計画では、町政施行100周年にあたる20年度の完成を目指している。

◆ 総合福祉センター整備(川南町)

 既存施設の老朽化や機能の分散化、ユニバーサルデザインへの対応、町民交流スペース及び情報発信の場の不足、災害時の避難所機能の確保等を背景に、役場福祉課や子育て支援センター、保健センター、社会福祉協議会、地域包括支援センター等の関連福祉部門を統合した川南町総合福祉センターを役場敷地内に新設する。
 町がまとめた基本構想・基本計画案では、目指す姿を「町民が安心して集う、福祉とにぎわいの拠点としての施設」と設定。福祉課や保健センター、社会福祉協議会、子育て支援センター等の諸室を配置し、計画規模はRC造2階建延べ2,400~2,500m2程度と想定している。施設整備に係る基本・実施設計は野添設計。

◆ 義務教育学校施設整備(木城町)

  現在の木城小学校(生徒数326人)の校舎、同じく木城中学校(同144人)の校舎は、いずれも経年に伴う施設や設備の老朽化が進んでいることから、両校を統合した施設一体型の「義務教育学校」を、木城小または木城中のいずれかの敷地に整備する。
 施設整備を含めた両学校のあり方について検討していた町は、先進地の事例視察や関係者による協議等を踏まえ、小学校・中学校の枠組みを外し、小学校課程から中学校課程までの義務教育を一貫して行う義務教育学校を新設する方針を固めた。
 施設の規模は、既存校舎の規模や生徒数の将来推計等を踏まえ、庁内協議や設計業務の中で詳細を詰める。昨年末には、指名型プロポーザル方式で施設整備に係る基本設計の事業者選定を行い、最優秀提案者に教育施設研究所を特定している。
 計画では、19年度中にまとめる基本設計の内容を踏まえ、20年度以降に施設整備に係る実施設計や本体工事に順次着手する見通し。22年度までに新校舎を完成させる考えでいる。町制50周年にあたる23年4月の開校を目指している。

◆ 総合体育館整備(日向市)

 既存の体育センター及び武道館の現状や課題、スポーツ施設の利用状況や市民のニーズを踏まえ、▽競技機能▽観覧機能▽管理・サービス機能▽健康増進機能、交流機能▽防災機能―を有する総合体育館を整備する。これらの機能を盛り込んだ施設規模を簡易的に試算し、新施設の規模を5,000~7,000m2程度と想定する。
 建設場所は、現敷地やお倉ケ浜総合公園、大王谷運動公園の各候補地について、拠点性・経済性・防災性・利便性の視点で検討を行い、「大王谷運動公園が整備場所として最も適している」とした。総合的に優位性の高い大王谷運動公園内に総合体育館を整備することを基本に、具体的な施設レイアウトの検討を進める。
 大王谷運動公園内には、野球場や陸上競技場、水泳場、弓道場、芝生広場が整備されており、その中でも水泳場は老朽化や費用対効果の面から廃止を含めた今後のあり方について検討が必要となっている。このため、水泳場を総合体育館の整備候補地とし、その場合の芝生広場や陸上競技場等の活用方法も検討する。
 事業手法に関しては、従来の「設計・施工・維持管理分離発注方式」に加え、民間事業者の創意工夫等を活用するPPP/PFI方式の採用も視野に入れる。20年度の基本計画策定時にPFI導入可能性調査を行い、詳細な検討を行う。20年度に各種調査、21~22年度に設計等、23~24年度に工事を行う予定でいる。

◆ 細島小学校校舎改築(日向市)

 老朽化が進む細島小学校の危険校舎を改築し、耐震性の向上及び安全・安心な学校施設の構築を図るとともに、地域コミュニティの拠点となるよう、同じく老朽化が進む細島公民館、細島地区コミュニティセンターとの複合化を図る。
 敷地内に建設する校舎を含めた複合施設は、鉄筋コンクリート造、延床面積2,700m2程度を想定している。昨年9月には、施設整備に係る実施設計業務の入札を執行し、建築設計を本田設計、設備設計を産研設計にそれぞれ委託した。
 当該業務では、17年度に行った先進地調査・研究、18年度に行った基本計画・設計のほか、地域住民から寄せられた意見を踏まえ、施設整備に係る実施設計を行う。計画では20~21年度に施設の建設工事を行う見通しでいる。

◆ 学校給食センター整備(門川町)

 町内の学校給食調理場が、巨大地震等に伴う津波被害が想定される地域に立地していることや、文部科学省が求める衛生面の条件を満たしておらず、老朽化に伴う修繕費用の増加や機器・設備の更新といった課題を抱えていることから、既存の学校給食調理場3箇所を1箇所に集約して建て替える。
 新たに整備する学校給食センターでは、町内の小学校3校と中学校1校の4校分の給食を調理し、各校に配送。最大調理能力を1,700食/日と設定し、五十鈴小学校の西側町有地を建設候補地とする。新たな給食センターの完成後、現在の調理場はコンテナの受入施設として再整備する考えでいる。
 施設の整備に向けて、17~18年度に建設候補地の測量設計や地質調査を実施。基本計画等を踏まえ、19年度に厨房機器の選定を行う。事業スケジュール案によると、施設整備に係る実施設計を20年度、建設工事を21~22年度にそれぞれ行い、23年度に施設の供用を開始する方針でいる。

◆ 西郷地区義務教育学校整備(美郷町)

 少子高齢化に伴う児童生徒数の減少や、一貫性を持った教育の実践等を目的として、西郷地区に田代小学校と西郷中学校を統合した義務教育学校を新設する。設置場所は西郷中学校の敷地内で、同地区の田代幼稚園も併設する。
 整備計画によると、中学校の校舎や体育館は既存施設を活用し、新たに小学校の校舎を新設して、田代幼稚園を併設する。敷地内には給食センターも整備し、老朽化しているプールは改修する。総事業費は約9億円を見込む。
 19年度は施設全体の整備に係る実施設計を行い、プールの改修工事を実施する。計画では、20年度に校舎と給食センターの建設を行う予定。21年4月に施設一体型の義務教育学校を開校することを目指している。

◆ 野口遵記念館整備(延岡市)

 延岡市公会堂野口記念館(東本小路)を現在地に建て替える。22年5月の開館を目標に、現在は施設整備に係る基本設計業務が香山・小嶋・菊池・松下・コトブキ・オーツJVで進む。新施設の構造はRC造一部S造、階数は地上4階建、延床面積は約4,200m2。財源には旭化成からの寄附金30億円を充てる。
 市民に長く愛されてきた野口記念館を継承し、音楽を中心としたホールとして、また、延岡城跡を中心とした歴史文化ゾーンの象徴的施設として求められる役割を果たせる機能と特徴を持った施設を目指す。施設の長寿命化や環境への配慮、維持管理コストの縮減に加え、諸室の効率的な使用にも努める。
 主機能とするホールの客席数は全671席。1階に508席、2階にバルコニー席84席、3階にバルコニー席79席を配置する。壁面には市産材を利用した木ルーバーを全面的に設置し、豊かな音響と温もりのある優しい印象をつくりあげる。音響拡散効果を高めるために、天井は波打つように連続する曲面形状とする。
 事業スケジュールによると、18~19年度に基本・実施設計、20~21年度に建設工事を行う予定でいる。

◆ 市営一ヶ岡A団地整備(延岡市)

 経年劣化が進む一ヶ岡A団地を年次的に建て替え、居住水準の向上を図り、良好な住環境を確保する。エリアを3つの工区に分けて整備を進めており、12年度までに1工区及び2工区の13棟284戸の整備が完了した。18年度から19年度にかけて3工区の初弾となるN棟の建設工事(40戸)を進めている。
 今後は、建設中のN棟の南側の敷地にO棟及びP棟を建設する。施設の規模はいずれも、鉄筋コンクリート造2階建延べ約680m2(各12戸)。19年度に施設整備に係る実施設計及び地質調査を行い、20年度から2箇年事業として建設工事に着手する。O棟及びP棟建設に係る総事業費は約5億円を見込む。

◆ 土々呂地区津波避難施設(延岡市)

 南海トラフ巨大地震への備えとして、市は高台や避難ビル等の津波指定緊急避難場所がない地域に津波避難施設を整備している。土々呂地区では、下洲ノ鼻区や茶屋区及びその周辺地区の住民を津波被害から守り、地域住民が防災・減災に関する知識を高めながら交流が図れるよう、防災学習室等を兼ね備えた複合型の施設を整備する。
 具体的には、旧消防署土々呂出張所と隣接する延岡市役所伊形支所を解体し、跡地に3階建の複合型津波避難施設を整備する。避難想定人数は380人で、これに基づく避難スペース(190m2)のほか、40人~60人が使用できる防災学習室(約130m2)や備蓄倉庫(約100m2)も配置する。施設整備に係る実施設計業務は小嶋凌衛建築設計事務所。
 津波浸水深や津波波力が当初の想定よりも大きかったことから、計画を一部見直した。柱及び梁部材等を鉄筋コンクリート造から鉄骨鉄筋コンクリート造に変更し、杭径をφ500㎜からφ1800㎜に変更する。地質調査で液状化する地層があることが判明したため、地盤改良も行う。変更後の全体事業費は8億8,000万円程度となる。
 整備スケジュールによると、19年度は伊形支所解体工事のほか、新施設の工事にも着手する見通し。20~21年度にかけて基礎工事、躯体工事、設備工事、外構工事等を行う。

◆ 延岡駅前地区再開発ビル(まちづくり延岡)

 仕事と生活の拠点として日常的に人が集まるような場(施設)を目指し、株式会社まちづくり延岡がJR延岡駅西口街区に再開発ビルを建設する。施設の規模はS造5階建延べ約5,800m2を想定。飲食店やサービス業、オフィス、専門学校、医療機関等の入居を想定し、仕事と生活の拠点として日常的に人が集まるような施設を目指す。
 延岡市幸町3丁目で同社が施行する再開発事業の施行区域は約0.3㌶。市街地の環境改善や良好な市街地住宅の供給等促進を目的に、一定割合以上の空地確保や土地利用の共同化、高度化等に寄与する優れた建築物等の整備に対して国や地方公共団体が補助する「優良建築物等整備事業(優良再開発型)」を活用する。
 現在は、施設整備に係る実施設計が松下・菊池・コトブキ特定建築設計共同企業体で進む。委託期間は20年3月13日まで。計画では20年度以降に本体建設工事に着手する見通しでいる。

◆ 五ヶ瀬町役場新庁舎建設(五ヶ瀬町)

 経年に伴う建物・設備の老朽化及び狭隘化、各課の分散化、バリアフリー対策の不足、災害への脆弱性といった課題を解消し、町民サービスや行政効率の向上を図るため、現庁舎の駐車場及び教育委員会棟の跡地に新庁舎を建設する。庁舎整備に係る基本計画の策定や基本・実施設計は石本建築事務所が担当した。
 現庁舎の駐車場や教育委員会棟の跡地に建設する新庁舎の規模はRC造(一部S造)3階建延べ3,335m2。官庁施設の総合耐震計画基準を踏まえ、新庁舎の耐震安全性の分類は、構造体をⅠ類、建築費構造部材をA類、建築設備を甲類とする。敷地内にはこのほか、倉庫車庫棟や駐車場兼多目的広場等も整備する。
 昨年12月には、条件付一般競争入札で行う「五ヶ瀬町役場新庁舎建設工事」を公告。建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事、サイン・外構・付帯工事を含む一括発注とし、2者または3者で構成する特定建設工事共同企業体を対象に1月10日まで入札参加申込書を受け付ける。入札日は1月22日を予定する。