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今後発注が予定されている/県内の大型土木プロジェクト

 今後発注が予定されている県内の主な土木プロジェクトについて、各事業の整備内容や進捗状況等をまとめた。
 国土交通省は「東九州道清武JCT~北郷」「日南・志布志道路」「油津・夏井道路」「高千穂日之影道路」「都城道路及び都城道路Ⅱ期」「日南防災(北区間)」といった道路事業のほか、河川改修事業やダム再生事業、砂防事業、港湾整備事業などを推進する。
 宮崎県は「木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)」「国道447号真幸工区(小林土木事務所)」「高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)」「国道219号岩下工区(西都土木事務所)」「国道327号永田工区(日向土木事務所)」「北方北郷線川水流橋工区(延岡土木事務所)」「竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)」などを推進する。

◆ 東九州自動車道清武JCT~北郷(国土交通省)

 清武JCT~北郷間は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。新直轄事業方式で国土交通省が整備を担当する。全体事業費は1,629億円。18年度末時点の事業進捗率は、事業費ベースで約79%、用地進捗率は100%。
 12年に清武JCT~清武南IC(1.2㎞)が開通。残る延長17.8㎞は全区間が着工済。区間内には橋梁14橋やトンネル12本を整備する。トンネルの非常用設備・付属物工等を除き、大型構造物が概ね完成し、本線土工部も全区間で着手している。
 トンネルの掘削補助工法及び沈下対策や特定有害物質対策の追加、芳ノ元頭部排土法面対策・地下水排除工の追加、頭部排土の要対策土の処理、鏡洲・赤木地区等の大規模切土法面対策の追加等に伴い、当初計画から事業費を約230億円増額した。
 九平トンネルの覆工や寺山一号橋の上部工が完了するなど、大規模構造物の工事工程に目処が立ったことに加え、地すべり対策の実施に伴い、変位が収束傾向にあることなどから、22年度に開通する見通しであることを昨年12月に発表した。

◆ 国道220号日南・志布志道路(国土交通省)

 東九州道の一部を構成する国道220号日南~志布志間は、日南市と志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。区間内の一部として、日南東郷IC~油津ICの日南区間(延長3.2㎞)と夏井IC~志布志ICの志布志区間(同3.7㎞)が16年度に事業化された。
 全体事業費は約222億円で、概算数量は▽土工約134万m3▽法面工約16万m2▽橋梁工7箇所▽IC2箇所▽舗装工約7万m2―を見込む。18年度末時点の進捗率は、用地ベースで約15%、事業費ベースで約6%。昨年10月に一部区間が着工した。
 19年度は調査設計や益安地区等の用地買収、益安地区改良工事を推進する。

◆ 国道220号油津・夏井道路(国土交通省)

 東九州自動車道の一部を構成する国道220号日南~志布志間のうち、日南市平野~南郷町中村甲の油津区間(延長6.4㎞)と、串間市串間~志布志市志布志町の串間・夏井区間(延長14.1㎞、県内区間は約9.7㎞)の2区間。いずれも19年度に事業化された。
 油津区間は全体の約6割(4.0㎞)が土工で、区間内にはトンネル1箇所(1,730m)と橋梁6基(①10m②290m③30m④50m⑤340m⑥20m)を計画する。インターチェンジは、日南・志布志道路と接続する起点の油津IC、終点の南郷ICの2箇所。
 串間・夏井区間は全体の約9割(12.6㎞)が土工で、区間内にはトンネル2箇所(①690m②400m)と橋梁9基(①20m②50m③110m④30m⑤30m⑥50m⑦40m⑧40m⑨50m)を計画する。ICは、起点の奈留と終点の夏井、中間地の串間の3箇所。
 全体事業費は約750億円で、内訳は▽改良費=約292億円▽橋梁・トンネル・IC費=約263億円▽その他工事費=約142億円▽用地補償費=約53億円。19年度は路線整備に係る調査設計等を推進する。

◆ 国道218号五ヶ瀬高千穂道路(国土交通省)

 九州中央自動車道の一部を形成する国道218号五ヶ瀬高千穂道路は、五ヶ瀬東ICを起点、高千穂ICを終点とする延長9.2㎞の自動車専用道路(2車線)。防災機能の強化や緊急医療活動の支援、東九州自動車道などの高速道路網と一体となった広域観光ルートの形成による観光振興支援などの効果を期待し、18年度に事業化された。
 全体事業費は約470億円。主要構造物は▽橋梁10橋▽トンネル4箇所▽インターチェンジ2箇所―などを計画する。橋梁は100m以上の長大橋が5橋、100m未満の中小橋が4橋、跨道橋が1橋。トンネル4箇所の延長は、2,430m、350m、1,050m、770mと想定。起点と終点に設けるICはダイヤモンド型のハーフICとする。
 18年度末時点の事業進捗率は、事業費ベースで約1%。19年度は、土地評価業務や道路予備設計業務、トンネル地質調査業務、用地調査等業務などを推進する。

◆ 国道218号高千穂日之影道路(国土交通省)

 国道218号高千穂日之影道路は、線形不良箇所の解消や防災対策、交通事故の低減等を目的として整備するもの。高千穂町三田井を起点、日之影町七折を終点とする延長5.1㎞の2車線道路。全体事業費は約248億円で、18年度末時点における進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約93%となっている。
 18年には起点側の雲海橋交差点~日之影深角IC間(2.8㎞)が開通。現在は、新平底トンネル(1,665m)を含む日之影深角IC~平底交差点間(2.3㎞)の整備が進められている。このうち、日之影深角IC部で実施していた軟弱地盤対策が完了し、残る工事工程を精査した結果、21年内に開通する見通しとなった。

◆ 国道10号都城道路/都城道路Ⅱ期(国土交通省)

 国道10号都城道路は、地域高規格道路として整備する都城志布志道路のうち、都城ICと五十町ICを結ぶ延長13.4㎞の自動車専用道路。乙房IC~五十町IC(7.7㎞)を都城道路、都城IC~乙房IC(5.7㎞)を都城道路Ⅱ期と位置付ける。
 都城道路では、12年3月に平塚IC~五十町IC(延長1.9㎞)の供用を開始しており、ここから都城IC側に延伸する横市IC~平塚IC間(2.8㎞)が19年3月に開通した。残る乙房IC~横市IC(3.0㎞)は、21年度の開通を予定している。
 事業の進捗に伴い、軟弱地盤対策や地下水対策及び浸食対策の追加が必要となったため、当初の計画から事業費を48億円増額し、全体事業費は404億円となる。18年度末時点の進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約73%となっている。
 一方、大淀川橋(橋長250m)を含むⅡ期地区の全体事業費は160億円。18年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約83%、事業費ベースで約25%となっている。19年度は調査設計や用地買収、金田地区改良工、大淀川橋下部工などを推進する。

◆ 国道220号日南防災(北区間)(国土交通省)

 大雨等の異常気象時に通行規制の対象となる国道220号の宮崎市内海~日南市富土区間を、一部現道を活用してバイパスで整備する。整備延長は2.6㎞で、幅員は10.5m(2車線)。全体事業費は約95億円を見込む。18年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約54%、事業費ベースで約46%となっている。
 区間内の鶯巣地区と伊比井地区に、土砂崩れの危険性が高い箇所を回避するためのトンネル(鶯巣地区882m、伊比井地区724m)を整備する。伊比井潮風トンネルを含む伊比井地区(0.9㎞)は、20年春に開通する見通し。19年度は調査設計や支障物件移設補償、伊比井地区改良工・舗装工・道路付属物工を推進する。

◆ 大淀川岩瀬ダム再生(国土交通省)

 頻発する渇水や洪水が企業等の生産活動に及ぼすリスクを早期に軽減するため、既設ダムの貯水能力を最大限活用することが有効であることから、「ダム再生ビジョン」を踏まえ、既設ダムを最大限に活用したソフト・ハード対策を戦略的・計画的に進め、利水・治水両面にわたる効果を早期に発揮させる。
 岩瀬ダム再生事業(小林市・都城市)では、洪水期に於ける既設ダムの発電容量及び死水容量を洪水調節容量に振り替えることで、洪水調節容量を現行の約3,500万m3から約5,000万m3に増大させるとともに、容量振替分に対応できる放流設備の増設等を行うことにより、下流域の治水機能の向上を図る。
 全体事業費は約500億円。19年度は堤体地質調査業務や本体構造他検討業務、堆砂測量業務等を推進する。

◆ 大淀川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川大淀川の直轄管理区間(L=86.1㎞)に於いて、築堤や浸透対策、護岸整備等を実施すると共に、水防災意識社会再構築に関する取り組みとして、越水時に堤防決壊までの時間を少しでも引き延ばすための危機管理型ハード対策等に取り組む。
 全体事業費は606億円。19年度は北俣地区の樹木伐採(A=30,000m2)や岩知野地区の堤防強化対策(L=1,100m)、福島・大塚地区の河道掘削(V=19,000m3)、八重川地区の地盤改良(基礎L=100m)、新地地区の法尻補強(L=1,200m)等を推進する。

◆ 五ヶ瀬川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川五ヶ瀬川の直轄管理区間(L=28.5㎞)に於いて、河道掘削や築堤、浸透対策などを実施する。全体事業費は280億円。19年度は松山地区の用地整備(A=0.19㌶/20年度完成予定)、天下地区の防災ステーション整備(21年度完成予定)、野田地区の河道掘削(V=37,000m3/20年度完成予定)等を推進する。

◆ 大淀川水系直轄砂防事業(国土交通省)

 豪雨時に発生する山腹崩壊や土石流等に起因する災害から流域住民の生命や財産を守るため、高崎川流域と庄内川上流域において整備対象土砂量約150万m3を目標に砂防堰堤等を整備する。流域面積は2,230km2、全体事業費は541億円を見込む。
 19年度は荒襲川砂防施設群(19年度完成予定)、丸谷川砂防施設群(20年度完成予定)、湯之元川砂防施設群(20年度完成予定)、高崎川砂防施設群(21年度完成予定)、渡司川1砂防堰堤(20年度完成予定)のほか、砂防設備設計や用地取得等を推進する。

◆ 細島港外港地区南沖防波堤(国土交通省)

 県北開発の拠点として重要な役割を担う細島港に於いて、入出港船舶の安全を確保し、港内の静穏並びに荒天時における施設の防護を図るとともに、荷役作業の効率性及び安全性を向上させるため、外港地区に防波堤(南沖)を整備する。
 南沖防波堤の整備延長は600mで、全体事業費は618億円。年次的にケーソンや消波ブロックの製作・据付工事、上部コンクリート工事を実施する。20年代前半の事業完成を目指し、円滑な事業実施環境が整った段階で完成時期を確定する。

◆ 宮崎港東地区沖防波(国土交通省)

 高速道路や空港と直結する南九州の交通の要衝にあり、観光都市宮崎の海の玄関口であると同時に、人流・物流の両面で市民生活及び企業活動を支える重要な役割を担う宮崎港内の静穏度確保、船舶の航行安全性向上を図るため、防波堤を整備する。
 防波堤は2,150mが概成し、残事業区間400mに於いて、基礎工や被覆工、消波ブロック工を年次的に施工する。残区間の全体事業費は約116億円。20年代後半の事業完成を目指し、円滑な事業実施環境が整った段階で完成時期を確定する。

◆ 宮崎西環状線古城工区(宮崎土木事務所)

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和する共に、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。
 このうち古城工区は、宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ区間。整備延長は1.2㎞で、区間内には橋梁2箇所(1号橋=約130m、2号橋=約280m)やボックスカルバート2基を整備する。全体事業費は約58億円で、24年度の完成を目指す。
 08年度の着手から地元との協議に時間を要したため事業が長期化している。19年度は、物件等調査業務や用地測量業務、排水工設計業務を委託したほか、20年1月末を納期として、道路改良工事3件と橋梁下部工3件の積算技術業務を委託した。

◆ 学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)

 一般県道学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、主要幹線である国道220号南バイパスとを結ぶ約4.5㎞の路線。沿道周辺には大学・高校などの教育施設や住宅団地などが立地し、全線が開通すれば利便性の向上が期待される。
 路線内のうち、清武川周辺の山下工区が唯一の未整備区間となっており、並行する県道中村木崎線等が代替路線として使用されている。山下工区を整備することで全線が開通し、大規模災害時の救助・救援ルートの確保や周辺の渋滞緩和につなげる。
 整備延長は約1.2㎞(2車線・両側歩道)で、全体事業費は約40億円。清武川を渡河する延長400m程度の橋梁を計画し、予備設計までが完了している。19年度は用地測量業務や物件等調査業務、一部道路改良工事を進め、23年度の完成を目指す。

◆ 木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)

 一般県道木脇高岡線は、国富町と宮崎市高岡町を南北に結ぶ約7.0㎞の路線。このうち未整備区間の解消や東九州自動車道へのアクセス強化を目的とした太田原・宮王丸工区の整備延長は約2.2㎞を計画する。全体事業費は約46億円を見込む。
 これまでに宮王丸工区内の710m区間を部分的に供用済。26年度の事業完了を目指し、盛土構造による道路整備や宮王丸橋(L=244m)、宮王丸高架橋(L=44m)、明久川橋(L=21m)の整備に年次的に取り組む。事業進捗率は16年度末時点で約35%。
 19年度は明久川橋上下部工(プレテンション方式PC単純床版橋)や宮王丸高架橋(ポストテンション方式PC単純T桁橋)の橋台工2基、宮王丸橋(鋼5径間連続非合成RC床版鈑桁橋、逆T式橋台2基・壁式橋脚4基)の詳細設計業務を発注した。

◆ 国道448号石波工区(串間土木事務所)

 国道448号は鹿児島県指宿市を起点に、串間市、日南市を経て宮崎市に至る路線。地域振興や地域経済を支え、串間市内の観光地にアクセスする路線であると共に、宮崎県地域防災計画の中で第2次緊急輸送道路に指定されている。
 名谷バイパスに接続する石波工区(串間市)は、異常気象時の事前通行規制区間であり、地すべり地形を成している。このため、力強い経済の浮揚、定住自立を図る地域の発展、安全・安心な暮らしの確保を支援する道づくりとして路線を整備する。
 計画延長は3.2㎞(全幅7.5m)で、全体事業費は80億円程度を想定。区間内のうち、山間部を貫く約2.6㎞をトンネルで整備する。トンネルの詳細設計は17年度に発注済。19年度は道路改良工事や水文調査業務を発注している。

◆ 国道447号真幸工区(小林土木事務所)

 国道447号は、えびの市から鹿児島県伊佐市を経由して出水市に至る路線。県境の山間部は隘路であり、急カーブが多数点在する交通難所であるため、宮崎県側を真幸バイパス、鹿児島県側を青木バイパスとして各県がそれぞれ整備する。
 本県区間の整備延長は3.2㎞(幅員7.5m)。起点側の約600m区間を既に部分供用しており、残区間は約2.6㎞となる。残区間にはトンネル1箇所(約1,800m)や橋梁、ボックスカルバートなどを整備する。全体事業費は約105億円を見込む。
 これまでに、真幸トンネルの詳細設計や水文調査、仮設道路工事や橋梁部の地質調査業務等を発注済み。19年度は真幸4号橋(橋長19m・プレテンPC単純床版橋)の上下部工や道路改良工事、真幸5号ボックス工事、真幸トンネル水文調査等を発注した。

◆ 飯野松山都城線金御岳工区(都城土木事務所)

 一般県道飯野松山都城線は、鹿児島県志布志市を起点とし、都城市甲斐元町の国道10号を終点とする延長約21㎞の路線。金御岳工区は、18年2月に供用を開始した梅北工区の終点(金御岳IC)から鹿児島県境までの2.9㎞(全幅12m)となる。
 工事は切土・盛土が中心で、区間内には橋梁1箇所とボックスカルバート11基を整備する。梅北工区で使用予定だった残土の処理費が必要となったことや人件費・資材費の高騰等で、全体事業費は当初計画から30億円増の78億円となる。
 19年度は道路改良工事や舗装工事、安全施設工事、水路改修工事、樋門工事、法面工事等を実施している。宮崎県が整備する金御岳IC~県境間と鹿児島県が整備する県境~末吉間は、いずれも20年度の開通を予定している。

◆ 高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)

 県道高城山田線は、都城市の高城町と山田町を結ぶ延長約8㎞の主要地方道。宮崎県の地域防災計画で第2次緊急輸送道路に指定されており、防災の上でも重要な路線であるが、王子橋を含む区間内の約1.4㎞が唯一の未改良区間となっている。
 小中学校の通学路であるが当該工区に歩道はなく、王子橋は経年劣化が進むと共に、幅員が狭いことから事故の危険性も高い。周辺に工業団地等が立地していることを踏まえ、安全・安心の確保や経済の浮揚を支援する道づくりに取り組む。
 整備延長は、王子橋の架け替え(橋長257m・鋼5径間連続非合成鈑桁橋)と取付道路等の整備を行う王子橋工区が0.76㎞、現道に歩道を整備する志和池工区が0.7㎞。全体事業費は約50億円を見込む。事業期間は18年度から28年度までの11年間。
 18年度に王子橋の詳細設計業務や道路詳細設計業務、地質調査業務等を発注済。19年度は用地測量業務や物件調査業務のほか、20年3月末を納期とする王子橋工区の函渠工工事及び王子橋下部工工事の積算技術業務を委託している。

◆ 国道219号岩下工区(西都土木事務所)

 熊本市から宮崎市に至る国道219号の中で、岩下工区は一ツ瀬ダムの北側に位置。台風等の異常気象時に落石や路肩決壊に伴う交通途絶が発生し、既設のトンネル部は大型車の離合が困難な状況にあるため、路線の整備に取り組む。
 整備延長は約1㎞(全幅7m)で、現道の一部を改良しつつ、山間部に迂回するルートをとる。迂回部分に延長612mのトンネルを新設するほか、区間内には岩下橋(84m・鋼上路式単純トラス橋)や鋼製桟道(36m)を整備する。全体事業費は約41億円。
 18年度までに、区間内の道路改良工事や岩下橋下部工及び上部工、鋼製桟道工事等を発注済。19年度は岩下トンネル本体工事等を発注した。

◆ 東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)

 主要地方道東郷西都線松尾工区は、日向市東郷町と木城町中心部のほぼ中間地点に位置。地域にとって必要不可欠な生活道路であるが、幅員が狭く、災害等による通行規制も発生しているため路線改良を行う。
 当初の事業計画による整備延長は1.9㎞(幅員7m)。区間内には、橋長128mのこぶところ大橋(鋼単純ローゼ橋)、橋長32mの松尾2号橋(ポステン単純PC中空床版橋)の整備を計画している。両橋とも詳細設計が完了している。
 13年度から一部工事に着手し、道路改良工事や法面工事等が進む。19年度は路線測量業務や擁壁・補強土壁・法面工の予備設計を含む道路詳細設計業務(1.1㎞)、区間内の地質調査業務を発注した。

◆ 国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る路線。このうち佐土の谷工区は、椎葉村と諸塚村の境界付近に位置しており、幅員狭小の隘路区間を解消し、安全で円滑な交通の確保を図ることを目的に路線の整備を進める。
 整備延長は3.4㎞(幅員7m)で、主要構造物はトンネル4箇所、橋梁6箇所を計画。概算事業費は約72億円を見込んでいたが、トンネル掘削時に土質が想定より悪いことが確認され、補助工法等に変更が生じたため、当初の計画から事業費を20億円増額する。
 19年8月には諸塚側の区間の整備が完了したが、残る椎葉村側の用地難航箇所で不測の日数を要しているたため、事業期間を21年度まで延長する。18年度末時点の事業進捗率は、事業費ベースで52%、用地ベースで95%となっている。

◆ 国道265号十根川工区(日向土木事務所)

 国道265号十根川工区(椎葉村下福良)は、椎葉~五ヶ瀬間の唯一の未改良区間をバイパスと現道拡幅で整備する。整備延長は約2.8㎞(幅員7m)で、区間内にはトンネル2箇所(394m、662m)や十根川橋(9.4m・PC単純プレテン床版橋)を計画する。
 両トンネルの詳細設計や橋梁予備・詳細設計、道路詳細設計、路線測量業務、地質調査業務、構造物詳細設計等が完了しており、19年度は十根川橋上下部工や道路改良工事、用地測量業務、路線測量業務、落石対策工詳細設計業務等を発注した。

◆ 国道327号永田工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路。15年度に着手した永田工区は、日向バイパスと接続し、国道327号から東九州自動車道の日向ICを繋ぐ路線として整備する。
 整備延長は約3㎞(幅員11.5m・2車線)で、起点側の日向IC付近から西北西にルートを取り、国道327号に接続するバイパスを新設する。区間内には延長730m程度のトンネルを整備する方針。全体事業費は約45億円を見込み、21年度の完成を目指す。
 19年度は1号橋(PC単純ポステン方式バルブT桁橋)の橋台工2基や道路改良工事のほか、交差点詳細設計業務、路線測量業務、用地測量業務、歩道詳細設計業務、地質調査業務、物件等調査業務、トンネル詳細設計業務等を発注した。

◆ 国道388号松瀬工区(日向土木事務所)

 国道388号松瀬工区は門川町と美郷町の境から門川町庭谷に至る区間に位置。線形不良や幅員狭小による狭隘区間を解消し、救急医療など沿線地域の生活と福祉の支援、地域間交流の活性化、安全・安心な生活環境の確保を目的に路線の整備を行う。
 全体計画では、門川町庭谷から美郷町北郷黒木までの5.8㎞を整備する方針でいるが、長区間の整備により事業の長期化を防ぎ、事業効果を早期に発現させるため、門川町庭谷から町境までの3.9㎞を松瀬工区と位置付け、優先的に整備する。
 松瀬工区では、現道の拡幅改良を行いつつ、トンネル1箇所(延長210m)や橋梁2箇所(各90m)を整備する。事業期間は19年度から26年度まで。全体事業費は約56億円。19年度は道路予備・詳細設計業務や測量業務、地質調査業務を発注した。
 一方、町境から美郷町北郷黒木の1.9㎞区間は、松瀬工区の進捗状況を踏まえて事業に着手する。主要構造物として、トンネル2箇所(660m、130m)や橋梁1箇所(30m)の整備を計画しており、これを含む路線全体の事業費を約95億円と試算する。

◆ 港湾改修事業・細島港(北部港湾事務所)

 木材需要の高まりを背景に、原木輸出量の更なる増加を図るため、既存の15号岸壁と17号岸壁の間に、水深10mの16号岸壁(延長170m)やふ頭用地(A=7,500m2)を整備するほか、大型船の入出港に対応できる泊地(V=3万7,000m3)を行う。
 全体事業費は25億円。事業期間は19年度~23年度を計画するが、16号岸壁とふ頭用地は21年度までに完成させる考えでいる。19年度は、16号岸壁の実施細部設計業務や緑地整備事業化検討業務等を発注している。
 仮に30万㌧の原木輸出を想定した場合、新たな岸壁等の整備で全てを細島港から輸出できるようになり、輸送コストの縮減につながるほかまた、原木ヤードや木材チップヤードの集積・移転に伴い、商業港地区のウォーターフロントづくりが可能になる。

◆ 港湾改修事業・細島港(北部港湾事務所)

 数十年から百数十年の頻度で発生する津波(L1津波)から県民の生命や財産を守るため、地元との合意形成が図られた古江港海岸(古江地区)の整備に取り組む。全体事業費は約45億円。事業期間は19年度~28年度を予定する。
 具体的には、既設防波堤の嵩上げ(高さ1.5m~2.5m程度、改良延長548m)を行うほか、一部区間で防波堤の新設(L=80m)を行う。防潮堤に関しても同様に、既存防潮堤の嵩上げ(L=1,380m)と新設(L=840m)を行う。
 整備に伴い、L1津波による浸水面積が整備前と比べて9割減少し、被災家屋数は0世帯(整備前172世帯)、被災事業所数は1事業所(同99事業所)となる。19年度は地質調査業務や深浅測量業務、西防波堤基本設計業務を発注した。

◆ 北方北郷線川水流橋工区(延岡土木事務所)

 主要地方道北方北郷線は、延岡市北方町を起点とし美郷町北郷区に至る路線。唯一の未整備区間である川水流橋工区は延長400m程度で、老朽化が進む既設の川水流橋(270m)は幅員が狭く、大型車の離合が困難な状況にある。
 計画では、川水流橋上流部に新橋を架設し、北方北郷線と接続する道路を含めた一体的な整備を行う。整備延長は440m(幅員9m)で、このうち新橋は延長273m(有効幅員9.5m)の鋼5径間連続非合成箱桁橋を計画する。全体事業費は約22億円。
 18年度までに新橋の詳細設計や地質調査、用地測量、構造物詳細設計、旧橋撤去設計等の関連業務のほか、一部区間の道路改良工事や新橋のA1橋台工事等を実施。19年度は新橋のP3・P4橋脚工事や舗装工事を発注した。

◆産業団地整備 (延岡市)

 整備予定地は、現在のクレアパーク工業団地から国道10号延岡道路を挟んだ延岡JCT-ICの南東側。整備に伴う経済効果や他市の事例を踏まえ、クレアパーク延岡工業団地第2工区と同程度の規模とし、概算の開発区域面積を20㌶程度、分譲面積を約10㌶とする。これに基づく概算事業費を約28億円と試算する。
 昨年8月には基本計画策定業務をサンコーコンサルタントに委託した。企業の求める立地スピード感に対応するため、「レディメード方式(先行用地造成)」で整備を進める。事業スケジュールは、▽19~20年度=設計、用地取得・交渉▽20~21年度=開発許認可手続・文化財調査▽22~23年度=造成工事―を予定する。

◆ 竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)

 主要地方道竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(五ヶ瀬町~高千穂町)は、幅員が狭く線形不良箇所が連続しているうえ、大型車両の通行止区間となっている。このため、安全で円滑な交通や安定した輸送ルートの確保などを目的に道路改良を行う。
 整備延長は1.4㎞(幅員7m)で、山間部を切り拓く直線ルートを計画。区間内には五ヶ瀬川を渡河する橋梁(橋長412m・3径間連続PCラーメン箱桁橋)を整備する。全体事業費は約44億円。14年度から事業に着手し、21年度の整備完了を目指す。
 18年度までに新橋の詳細設計や物件等調査、地下水調査、道路詳細設計のほか、一部道路改良工事を発注している。19年度は、波帰之瀬橋橋梁下部工(P1)や道路改良工事、舗装工事、法面工事、物件等調査業務を発注した。

◆ 森林基幹道高千穂・日之影線(西臼杵支庁)

 効率的な林業施業の推進や生活環境の改善を目的に、高千穂町大字押方を起点、日之影町大字岩井川を終点とする約4万mの林道整備のほか、25年度までに▽主伐=117㌶▽間伐=198㌶▽造林=71㌶▽保育344㌶―などの森林整備を実施する。
 林道は2万3,600mを新設、1万7,500mを改築で整備する方針。車道幅員は4m、全幅は5m。区間内に計画する(仮称)乙女橋は、橋長114mのPC2径間連続Tラーメン箱桁橋で、下部工は逆T式橋台2基とラーメン橋脚1基で構成する。
 18年度に仮桟橋工事や新橋の下部工を発注し、19年度は林道開設工事、測量設計業務等を発注した。今年度第4四半期には、総合評価落札方式で橋梁上部工(工事規模=7千万円以上5億円未満)を発注する見通しでいる。全体事業費は約70億円を見込む。