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北浦漁港整備など継続を了承 宮崎県公共事業評価委員会

 宮崎県公共事業評価委員会(谷口義信委員長=宮崎大学名誉教授)の2019年度第3回会合が1月30日に開かれた。会合では、農政水産部が所管する漁港整備事業北浦地区と、延岡市から審議を依頼された公営住宅整備事業市営一ヶ岡A団地の再評価を実施。事業の概要や進捗状況を担当者が説明し、いずれの事業も継続することを委員が了承した。

 公共事業評価は、一定規模以上の事業の必要性と効果を客観的に評価することで、効率的・効果的な社会資本の整備を実現するために実施するもの。事業着手前に重要度や投資効果等を評価する事前評価、着手から一定年数経過時点で進捗状況や効果等を把握する再評価、事業完了後に効果や影響等を確認する事後評価に分かれる。

 30日に開かれた会合では、前回評価から事業内容や事業費に変更があった農政水産部所管の漁港整備事業北浦地区(北浦漁港)、事業採択から5年が経過し、延岡市から審議を依頼された公営住宅整備事業市営一ヶ岡A団地(3工区)の再評価を実施。事業の進捗状況や計画の変更箇所、今後の見通しなどを委員に示した。

 漁港整備事業北浦地区は、巨大地震等への備えとして、市振地区及び宮野浦地区の防波堤や護岸、係留施設を整備するもの。今回、新たに衛生管理型荷さばき施設の整備を追加し、係留施設(古浦第3岸壁)の位置を変更した。これに伴い、当初の計画から事業費を約15億円増額し、全体事業費を35億8000万円とする。

 これまでに宮野浦東防波堤が完成し、20年度に宮野浦北防波堤が完成する見通し。20~21年度に古浦第3岸壁の整備を行い、衛生管理型荷さばき施設は22~24年度に整備する予定で、あわせて古浦防波堤と古浦南防波堤の地震・津波対策も実施する。事業期間は17年度から26年度までの10年間を予定する。

 一方、延岡市の一ヶ岡A団地3工区は、建設後40年が経過する既存建物を解体・撤去し、5棟94戸の団地の建て替えを行うもの。社会情勢等の変化を踏まえ、当初の計画から建替規模を見直した。これまでにN棟(RC造5階建延べ1943m2)の建設工事が完了し、現在はN棟の屋外付帯・駐車場整備工事が進む。

 事業の進捗見通しによると、20~21年度にO棟及びP棟(いずれもRC造2階建・各12戸)、22~23年度にQ棟(RC造2階建・12戸)及びR棟(RC造2階建・18戸)の整備を行い、23年度に3工区の整備を完了させる予定でいる。全体事業費は20億1100万円。事業費ベースの進捗率は42%となっている。

 会合ではこのほか、15年度に完了した国道327号古園バイパス(諸塚村)の事後評価を行い、更なる改善措置や事後評価の必要性がないことを委員が承認した。また、県土整備部が道路事業や河川事業を対象に行った事後評価の審査結果として、安全で円滑な交通の確保や浸水被害の防止といった効果が認められることを報告した。