宮崎県は、宮崎市熊野の総合運動公園に於ける津波避難施設の整備状況をまとめた。サンマリンスタジアム3塁側とテニスコート付近の避難デッキは、工事の入札・契約に向けた手続きを進めており、今年3月に着工する予定。同じく1塁側と運動広場付近の避難デッキは設計業務が完了し、2020年度に工事を発注する予定でいる。
「スポーツランドみやざき」の中心施設である総合運動公園は、年間約139万人が利用しており、二巡目国体に向けて更なる施設利用者の増加が見込まれる。一方で、今後30年以内に大地震が発生する可能性が高まっていることから、避難困難者が生じる可能性がある敷地内の各エリアに新たな津波避難施設を整備する。
サンマリンスタジアムを中心とするAエリアには避難デッキ2基や連絡橋、第一陸上競技場を中心とするBエリアには盛土構造の避難高台やメインスタンドデッキ2基、テニスコートや運動広場を中心とするCエリアには避難デッキ2基をそれぞれ整備する。県は、これらの施設整備に係る概算事業費を約60億円と試算する。
このうちAエリアでは、サンマリンスタジアム1塁側及び3塁側にそれぞれ避難デッキを整備。3塁側の避難デッキは、現在、工事の入札・契約に向けた手続きを進めており、3月に現地着手する。1塁側の避難デッキは設計業務が完了しており、来年度に工事を発注する見通し。Aエリアの事業費は約11億円を見込む。
Cエリアでは、テニスコート付近に整備する避難デッキの工事請負契約に向けた手続きが進められており、3月に現地着手する。運動広場付近の避難デッキは設計業務が完了し、来年度に工事を発注する見通し。Cエリアの事業費は約13億円を見込む。
Bエリアでは、地元の要望や避難の優位性・経済性、通常利用を考慮し、当初の計画から盛土高台の設置場所を第一陸上競技場西側の中央広場に変更し、第一陸上競技場メインスタンドに隣接したメインスタンドデッキ2基を整備することとした。メインスタンドの収容人数を増やし、盛土高台と合わせて必要な規模を確保する。
現在は、盛土高台とメインスタンドデッキの整備に係る調査・設計業務が進められており、今年3月に盛土高台を整備する中央広場の既存施設の取壊工事や樹木の移植・撤去作業に着手する。いずれの施設も早期に着工する考え。Bエリアの事業費は、盛土高台が約28億円、メインスタンドデッキが約8億円を見込む。