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東京ビル再整備、建替案のイメージなど示す 宮崎県

 宮崎県は、首都圏域の職員宿舎や職員寮・学生寮、県内中小企業向けフロンティアオフィスなどとして活用している東京ビル(東京都千代田区)の再整備に向けた検討内容をまとめ、1月23日に開かれた県議会総務政策常任委員会で報告した。仮に建て替えを選択した場合、新施設の規模を3割程度増床し、地上15階前後の施設とすることで、9フロア分の民間活用が可能になるといったイメージを示した。

 既存の東京ビルの所在地は東京都千代田区九段南4丁目8番2号(敷地面積1427m2)。既存建物は鉄骨鉄筋コンクリート造で、職員宿舎が入居するA棟(8階建)とフロンティアオフィスや職員寮・学生寮が入居するB棟(10階建)のほか、地階に倉庫や浴室、電気室・設備室等を配置している。延床面積の合計は5588m2。

 昭和47年3月の竣工から築47年が経過し、躯体や設備の老朽化が進んでいることで、施設の維持管理費が嵩んでいる。これに加え、更なる土地の高度利用化の余地があることや、立地環境の有効活用を検討する必要があることから、県は東京ビルの方向性として「再整備(建替)」が最適との考えを示していた。

 こういった経緯を踏まえ、県は昨年11月に東京ビル建替に係る整備・管理運営手法の調査業務をみずほ総合研究所に委託した。建替で想定される整備・管理運営手法の列挙や手法毎のメリット・デメリットの整理、事業費シミュレーションを行い、報告書を作成するよう求めている。業務の履行期間は2020年2月28日まで。

 常任委員会で報告した現時点の検討内容によると、再整備の方針として建て替えを選択した場合、新施設は既存施設から3割程度増床し、地上15階前後の建物となることを想定。職員宿舎・職員寮は3フロアを使用して40戸程度、学生寮は2フロアを使用して男女各30室程度(定員60人程度)を設けることを想定する。

 再整備案ではこのほか、県内企業向けのフロンティアオフィスは個室で5室程度を確保し、会議室は現在と同じ1室(約100m2)とすることも想定。県人会事務局等を含め、残りの9フロア前後を民間活用部分とすることが可能になるといった案を示した。

 整備手法では、民間の資金やノウハウを活用して施設の整備や維持管理、運営等を行う「PFI方式」のほか、土地を一定期間貸し出し、県施設と民間施設を一体的に整備(・維持管理・運営)し、事業終了後に更地にして返還する「定期借地権方式」、土地の信託を受け、民間施設と県施設を整備(前同)する「土地信託方式」を想定する。

 宮崎県は、2016年に策定した宮崎県公共施設等総合管理計画に基づき、20年度までに策定予定の行政系施設の個別計画で東京ビルの方向性を明示する考え。それまでに、必要な機能や規模・規格、整備手法、整備スケジュール等について官民対話を含めた検討を行い、再整備に向けた基本的な方向性を固める予定でいる。