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不調・不落で新たな対策、工事成績加点など 宮崎県

 宮崎県は、建設工事の入札で不調・不落が多発していることを踏まえ、新たな対策を実施する。不調・不落の発生率が高い災害復旧工事や環境森林部の治山・林道工事、農政水産部の畑地かんがい工事などで工事成績点に一律2点の加点を行うほか、総合評価落札方式における受注状況(K値)算定の見直しや入札参加資格の緩和措置を講じる。

 公共三部における不調・不落の発生件数は、2016年度が92件(発生率5.0%)、17年度が132件(同7.5%)、18年度が201件(同11.3%)と増加傾向で推移。19年度は第3四半期までに273件(同18.3%)で不調・不落が発生している。

 第3四半期までの部局別の発生件数は、県土整備部が170件、農政水産部が64件、環境森林部が39件で、特に環境森林部は全体の42.9%が不調・不落となっている。業種別では土木一式(152件)、価格別では1500万円未満(101件)、内容別では営繕工事(42件)や災害復旧工事(32件)で不調・不落が多い。

 不調・不落の多発を受けて、県は昨年5月から様々な対策を実施。現場代理人の常駐義務緩和や施工箇所が点在する工事の間接費積算の適用拡大、余裕期間制度の活用拡大、営繕Cクラス工事の応札期間の拡大、配置予定技術者の専任要件の緩和、総合評価落札方式における受注状況算定の特例措置の拡大等に取り組んでいる。

 しかしながら、今年度上半期までで14.9%だった不調・不落の発生率は、第3四半期までで18.3%となり、上半期と比べて3.4ポイント拡大している。こういった状況を踏まえ、県は新たな不調・不落対策として▽工事成績評定の特例措置▽総合評価落札方式における受注状況算定の見直し▽入札参加資格の緩和―を実施する。

 工事成績評定の特例措置では、公共三部の災害復旧工事、環境森林部の治山工事・林道工事・自然公園整備工事、農政水産部の畑地かんがい工事・用水工事・ほ場整備工事・防災ダム整備工事を対象に、工事成績点に一律2点を加点する。今年2月中旬以降に入札公告や指名通知を行う工事から適用する。

 また、受注状況(K値)算定の見直しでは、不調に伴い18年4月1日以降に随意契約を締結した工事を、受注状況算定時の「過去5か年度の平均受注額」に加算する。一方、入札参加資格の緩和では、予定価格2500万円以上の法面吹付工事で、実績要件に施工規模(現行は700m2以上)を設定しないこととする。

 県は、工事成績の加点や受注状況算定での加算により、県内事業者の入札参加意欲の向上を期待するとともに、入札参加資格の緩和で受注機会の拡大を図る。