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企業の森づくりで宮崎県らと協定締結 キャタピラー九州

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▲写真は調印式の模様

 建設機械等の販売やメンテナンスを手掛けるキャタピラー九州株式会社(福岡県筑紫野市、山根久資代表取締役社長)は1月10日、宮崎県と日南市、南那珂森林組合と「企業の森づくり」整備・保全に関する協定を締結した。山根社長や河野俊嗣知事、﨑田恭平市長ら各者の代表が出席し、署名・押印した協定書を取り交わした。

 企業の森づくりは、環境保全等に関心の高い企業や団体等に県内の豊かな自然環境を活用してもらいながら、地域住民と森林保全活動に参画するもの。企業・団体等が森林所有者と土地賃借契約を結び、森林組合等にその保全管理を委託するとともに、社員研修や環境教育、CSR活動を展開する。県はこれらの活動全般を支援する。

 今回の協定では、日南市が所有する林野1㌶(吉野方字陰ノ平2874番地)を同社に提供。これを「キャタピラーの森」と位置付け、宮崎県と南那珂森林組合が森林整備の技術的指導や助言等を行うほか、南那珂森林組合は森林施業を受託する。協定期間は2020年1月10日から30年1月9日までの10年間を予定している。

 キャタピラーの森では、針葉樹の植栽(スギ2500本)や下刈り(延べ面積7㌶)などを行い、森林の持つ多面的機能の向上を図るとともに、同社をはじめとする関係者による様々な森林づくり活動を通じて、地域協働の森づくりに寄与する。当該フィールドに於ける期間中の二酸化炭素吸収見込量は約108㌧となる見通し。

 調印式で河野知事は、企業の力を借りながら森林を整備する今回の取り組みが「企業と地域との交流のきっかけにもなる」と述べ、関係各者と連携しながら、より良い森づくりに取り組む考えを示した。﨑田市長は、飫肥藩時代にまで遡るスギを中心としたまちづくりに言及し、市有林を活用した同社の活動に感謝の意を示した。

 山根社長は、林業機械のアフターサービス等を通じて南那珂森林組合と親交があり、今回の協定締結に至った経緯を説明。同社が取り組む社会貢献活動として、今回の協定が最適であることに言及し、「社員とともにキャタピラーの森を大事にしながら、宮崎県及び日南市の森づくりに貢献していきたい」と意気込みを語った。