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第3四半期に本体工事発注へ 国道219号岩下トンネル

 宮崎県は、9月2日に公表した2019年度公共事業の発注見通しに「国道219号岩下工区(仮称)岩下トンネル本体工事」を追加した。場所は西都市中尾で、工期は19カ月間。工種は土木一式工事とし、入札に際しては総合評価落札方式を適用する。事業規模は15億円以上22.9億円未満。発注時期は第3四半期を予定している。

 熊本市から宮崎市に至る国道219号のうち県内区間は約77㎞あるが、西都市瓢丹淵から西米良村横野までの大部分が未改良区間となっている。当該路線のうち、一ツ瀬ダム北側に位置する岩下工区は、台風等の異常気象時に落石や路肩決壊に伴う交通途絶が発生し、既設のトンネル部分は大型車の離合が困難な状況にある。

 当該路線は、大規模災害時に県内外からの救命・救急・物資の輸送などを行う、緊急輸送道路の横軸を担う「命の道」であると同時に、沿線には西都原古墳群や西都原公園、平成の桃源郷・おがわ作小屋村などの観光施設が数多く点在することから、地域間の連携強化や地域の活性化等も目的として路線の整備に取り組んでいる。

 2015年度に事業化された岩下工区は、現道の一部を改良しつつ、現道よりも山間部側を貫くルートをとる。整備延長は約1㎞(全幅7m/2車線)で、区間内には延長612mの岩下トンネルや岩下橋(鋼上路式単純トラス橋・橋長84m)を整備する。当初計画段階の全体事業費は約41億円で、21年度の事業完了を目指している。

 事業化以降、トンネル及び橋梁の詳細設計や地質調査、測量業務等のほか、一部の道路改良工事や構造物工事を実施。昨年9月には岩下橋上部工事(清本・日橋JV)、今年3月にはトンネル照明・非常用設備詳細設計業務(大日本コンサルタント)、5月には岩下工区トンネル積算技術業務(宮崎県建設技術推進機構)などを発注していた。

 2日に公表した発注見通しでは、西都土木事務所が所管する「国道219号岩下工区(仮称)岩下トンネル本体工事」を追加した。発注予定時期は第3四半期。一方、19年度当初予算では、限度額を18億円、支払期間を19年度~21年度とする「防災・安全社会資本整備交付金事業/岩下トンネル」の債務負担行為を設定している。