▲写真は交付式の模様
個人住宅のエクステリア設計・施工を手掛ける有限会社サンエク(宮崎市高岡町、白川良一代表取締役社長)が、県内の建設業で初めてユースエール認定を取得した。9月26日に行われた交付式で、宮崎労働局の大津英喜局長が認定通知書を手渡し、他の企業の模範となる若者の雇用・定着に向けた同社の取り組みを称えた。
ユースエール認定制度は、若者の採用・育成に積極的で、雇用管理の状況等が優良な中小企業を厚生労働大臣が認定するもの。認定企業には、労働局やハローワークが開催する就職面接会等への参加、若者の採用・育成を支援する関係助成金の加算、公共調達における加点評価等のインセンティブが付与される。
主な認定基準は、▽直近三事業年度の新卒者等の離職率が20%以下▽前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下、かつ月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員がゼロ▽前事業年度の正社員の有給休暇の年平均取得日数が10日以上、または年平均取得率が70%以上―であることなど。
県内建設業で初めてユースエール認定を取得したサンエクは1999年創業。職人の高齢化が深刻化する中、他社に先駆けて社会保険の完備や退職金制度の導入、国家公務員行政職俸給表に準拠した給与制度の採用、会社カレンダーによる長期連休の実施等に取り組み、若年層の入職促進及び定着に努めている。
新入社員に対しては、2年目まで育成責任者・担当者を配置し、社会人としての基礎知識や業務で必要な基本的な技術を指導。2年目~3年目には、会社が費用を全額負担する宮崎高等技術専門校の左官コースで更なる技術の研鑽を図るなど、顧客の様々なニーズに応えられる一人前の職人の育成に注力している。
従業員17人の平均年齢は32.6歳。同年代の社員による仲間意識も強く、これが互いに成長できる環境づくりや人材の定着といった好循環につながっている。白川社長は、こういった取り組みを「職人を育成するために必要な将来への投資」と位置付け、今後も技術の向上や社員教育に注力する考えを示した。