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新・担い手3法への対応など 日建連の今後の取り組み

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は9月25日、8月29日に開かれた新・担い手3法への対応や建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進などに関する国土交通省との意見交換会を踏まえた今後の取り組みをまとめた。新・担い手3法への対応では、適正工期の確保に関する要請を会員企業に行うほか、中央建設業審議会での工期に関する基準の策定の進捗に合わせ、日建連においても適正工期について検討する。

 取り組みは、①新・担い手3法関係②労務単価の上昇と技能労働者の賃金水準の上昇の好循環③CCUS関係―の3分野。

 労務単価の上昇と技能労働者の賃金水準の上昇の好循環に向けて日建連が行った「労務費見積もり尊重宣言」について、労働委員会の構成企業の実施状況を把握する。また、国交省が実施するインセンティブ付与モデル工事について、内訳明示の方法の検討など実務上の準備を進める。

 建設キャリアアップ関係では▽2次以下の登録の促進など普及のスピードアップ▽国交省のモデル工事への協力▽建退共制度との連携の促進に関する検討▽メリットを高める具体策の検討―などに取り組む。

*適正な工期確保を会員に要請

 日本建設業連合会の山内隆司会長は9月25日、適正な工期の確保について同日付で会員企業に要請文を発出した。8月29日に開催された国土交通相との意見交換会で日建連は、石井啓一前国交相から「長時間労働の是正や週休2日を実現するため、適正な工期の確保に努めてほしい」と求められた。今回の会員企業への要請はこれに対応するもの。改めて取り組みの強化を会員に呼び掛けた。

*CCUS「直轄工事での活用義務化を」

 日本建設業連合会は、9月25日の理事会後の会見で、建設キャリアアップシステム(CCUS)への技能者の登録を促進するため「国土交通省の直轄工事でCCUSを義務化するべきだ」とし、国交省に対応を働き掛けていく考えを述べた。

 4月から本格運用が始まったCCUSの8月末時点での技能者の登録者数は約10万人。300万人を超える実際の技能者の人数と比較した現在の登録状況について山内会長は「不本意だ」と指摘した。そして「システムを成功させるためには早急に200万人の登録を達成しなければならない」と強調し、登録促進の有効策として、国交省の直轄工事での義務化や、その後の地方自治体の工事などへの拡大をあげた。

 さらに山内会長は、建設業の就労環境や技能者の処遇の改善に向けたCCUSの意義を改めて強調し、建設産業界全体で推進する必要を主張した。

 宮本洋一副会長も、日建連の会員の現場で働く技能労働者の割合について「全体の25~30%」と説明。他団体や地方自治体に取り組みの推進を呼び掛けていく意向を述べた。

 また、押味至一副会長は、民間も含め制度の活用に取り組む必要を指摘。一定程度まで制度活用が整えば「一気に登録が進む」という見方を示した。

*土木加え日建連表彰を創設

 日本建設業連合会は9月25日の理事会で、日建連の新たな表彰制度を決めた。名称は「日建連表彰」。従来の建築分野の「BCS賞」に加え、土木分野の「土木賞」を設ける。2020年1月に応募を受け付け、8月に受賞作品を決定、11月13日に表彰式を開く。

 表彰数は土木賞が10件程度、BCS賞が15件以内。従来のBCS賞は建築主と設計者、施工者の3者を表彰対象にしていたが、土木賞では、関連企業や専門工事業者などの関係者も含め表彰対象者を選考する。BCS賞でも、事業への貢献者などを表彰対象に加えることができるようにする。

 表彰制度の運営は新設する日建連表彰委員会(宮本洋一委員長)が行う。

 海外事業への表彰制度も検討したが、海外建設協会が新表彰制度を検討しているため創設を見送った。