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九州・沖縄地区建設業売上高ランキング TSRまとめ

 株式会社東京商工リサーチは、2018年(1月期~12月期)に決算を終了した九州・沖縄地区の建設業売上高ランキングをまとめた。売上高50億円以上をあげた企業は前年比11社増の130社、売上高の合計は1兆8780億円(同9.2%増)で、いずれも高水準となった。ランキングのトップは33回連続で九電工。宮崎県内企業は前年比1社増の13社がランクインし、最上位は森崎建設工業の12位だった。

 今回ランキングの登場企業数は130社。ピークは97年の169社で、その後は減少傾向が続き、09年以降は5年連続で社数の二桁推移が続いた。最少は10年及び11年の85社。12年以降は増加に転じ、15年は115社に達した。16年は減少したが、17年は前年比9社増の119社、18年は11社増の130社となり、2年連続の増加となった。

 登場社数が増加する中、増収企業は6社増加し、売上高合計は1591億円増。伸長率は2年連続でプラスとなったが、前回の9.7%増から9.2%増に低下した。ホテルやマンションなど民間需要が堅調に推移した一方、熊本地震の復旧工事が土木から建築へ移行するなど公共工事請負金額が3年ぶりに前年を下回り、伸長率はやや鈍化した。

 利益金額の合計は135億円増の780億円、伸長率は21.0%増で6年連続の増益となった。各企業が経費削減や内部合理化で収益体質の改善を進め、人件費増や材料費高騰の中、選別受注などで利益率の確保に取り組む企業が増加し、16年及び17年に続いて集計開始以来の過去最高を更新した。

 各県別の売上高の合計は、福岡が1兆0378億1500万円(前年比7.3%増)、佐賀が1302億9000万円(同2.4%増)、長崎が725億1600万円(同6.2%増)、熊本が1398億7700万円(同29.8%増)、大分が770億9200万円(同6.8%増)、宮崎が1306億5000万円(同7.0%増)、鹿児島が816億9600万円(同5.3%増)、沖縄が2081億4200万円(同17.1%増)。

 各県別の利益金の合計は、福岡が503億0900万円(同17.6%増)、佐賀が43億8200万円(同1.1%増)、長崎が14億6400万円(同43.3%増)、熊本が57億8500万円(同46.6%増)、大分が17億7200万円(同49.1%増)、宮崎が42億6400万円(同4.3%増)、鹿児島が22億1100万円(同21.9%減)、沖縄が79億0700万円(同82.3%増)となった。

 増収企業数は、福岡が50社中35社(構成比70.0%)、佐賀が7社中6社(同85.7%)、長崎が7社中6社(同85.7%)、熊本が16社中9社(同56.2%)、大分が8社中5社(同62.5%)、宮崎が13社中7社(同53.8%)、鹿児島10社中9社(同90.0%)、沖縄が19社中15社(同78.9%)。全体では130社中92社で、構成比は70.7%となった。

 県内登場企業の1位は森崎建設工業。那覇空港滑走路拡張など沖縄営業所が好調に推移し、前期比15.6%増の3期連続増収で、前回に続き2年連続1位となった。2位は前回3位の吉原建設で、酒造メーカーの工場やマンションの大口があり、同0.3%減ながら、2年ぶりに2位に返り咲いた。3位の九南は同8.7%増、2期連続増収で売上は過去最高となり、前回の4位からワンランクアップした。

 4位は産業用プラントメーカーの清本鉄工で、主要受注先となる旭化成関連の定期大口工事の端境期でもあったことから2期ぶりの減収となり、前回2位からツーランクダウンした。5位の大淀開発は2期連続の二桁増収で、売上高は初の100億円台を突破してランクインした。

 今後の見通しについて東京商工リサーチでは、資材価格や人件費の上昇、都市部の地価上昇に加えて、金融機関の不動産に対する融資姿勢の変化や投資用マンションの建設意欲の下押しといった懸念はあるが、福岡県での天神ビッグバンやウォーターフロントの再整備、沖縄県及び大分県でのホテル開発、熊本の復旧工事などが見込まれ、依然として建設業界は好調を維持している現状から、「次回ランキングも社数が大幅に減少することはないだろう」とみている。

九州・沖縄地区建設業ランキング