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工事請負契約書の印紙税 軽減措置2年延長を要望

 国土交通省は、2020年度の税制改正要望で、工事請負契約書と不動産譲渡契約書の印紙税に対する特例措置を2年間延長するよう求めた。工事請負契約書と不動産譲渡契約書の印紙税は、契約額に応じて20~50%軽減する特例措置を講じており、20・21年度も現行の特例措置を継続することを要望した。

 工事請負契約書と不動産譲渡契約書には、契約金額に応じて印紙税が課税されており、例えば1000万円超5000万円以下では、本来2万円の印紙税が課税される。特例措置では、この価格帯の契約書の負担を50%軽減しているため、20年3月までは印紙税の課税額は1万円に軽減される。

 国交省は、建設業特有の重層下請け構造の中で、印紙税が元請けから下位下請けに多段階で課税されている他、不動産流通段階での課税がエンドユーザーの契約金額に転嫁されると指摘。建設投資の促進、不動産取引の活性化を図るためにも、特例措置の継続を要望した。

 20年度の税制改正要望ではこの他、老朽化したマンションの改修・建て替えを促進する法人税などの特例措置を拡充・創設するよう求めた。マンション建て替え円滑化法に基づく敷地売却制度の税制特例を拡充する他、団地型マンションの敷地分割に対する税制特例を創設する。

■土地・建設産業局の体制強化

 国土交通省は、2020年度の組織・定員要求で、土地・建設産業局の体制を強化する組織改正を求めた。建設産業行政を担う建設業課、建設市場整備課に加え、建設業の海外展開と外国人材の受け入れを所管する組織を新設。建設産業行政を3課体制で推進する考えだ。

 同局では、所有者不明土地対策を担当する審議官ポストと、不動産流通の適正化・高度化を図るための審議官ポストも新設する。サブリースや不動産管理を所管する課長級ポストも設ける。