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太陽光設備の廃棄費確保、単価を新規検討 経産省

 経済産業省は、使用を終えた太陽光発電設備の適切な廃棄に向けて発電事業者に積み立てを求める金額について、2020年度以降の認定案件を対象に新たに単価を定めることを検討する。これまでは「資本費の5%」を基準としていたが、発電コストは低減傾向にある一方で、廃棄費用のコストダウンが進むかは不明確であるとして、廃棄費用を別途定めることにした。これに応じて電力の調達価格も決定することになる。8月26日に開いた有識者のワーキンググループで方向性を示した。

 太陽光発電事業の導入量は18年9月時点で7730万キロワット。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により急速に普及した設備の将来的な大量廃棄を見据え、同省では処分費用の確保に向けた制度設計を進めている。

 このため、6~7月には廃棄費用について全国解体工事業団体連合会の会員企業などのアンケート調査を実施。設備1キロワット当たりの費用(回答の中央値)を、コンクリート基礎の場合で1.37万円と試算した。パネルと架台のみの場合は0.57万円。

 こうした試算を踏まえ、現行の「資本費の5%」という基準でも廃棄費用はおおむねカバーできると想定。一方で、将来的には発電コストは縮小が見込まれるものの、廃棄費用のコストが小さくなるかどうかは不透明なため、今後にヒアリングなどを通じて必要額を新たに定めるとしている。