役場庁舎の建替計画を進める五ヶ瀬町は、新庁舎建設に係る基本設計をまとめ、基本設計書の概要版をホームページで公開した。敷地内に建て替える新庁舎の規模は、S造一部RC造3階建、延床面積は約3200m2とする。引き続き、施設整備に係る実施設計を進め、計画が順調に進めば、10月頃にも本体建設工事の入札手続きに着手する見通しでいる。
経年に伴う施設や設備の老朽化及び狭隘化、各課の分散化、バリアフリー対策の不足、災害への脆弱性といった課題を解消し、町民サービスや行政効率の向上を図るため、新たな役場庁舎を建設する計画。現在は、新庁舎建設に係る基本計画及び基本・実施設計、各種申請業務を受託している石本建築事務所で設計業務が進む。
基本計画で掲げた新庁舎の建設コンセプトは「町民に開かれた誰もが使いやすい庁舎」「町民サービス、事務効率の向上を目指した機能的な庁舎」「町民の安心・安全な暮らしを支える拠点としての庁舎」「議会活動を推進する場」「簡素で効率的、経済的な庁舎」の5項目。基本設計でこれらのコンセプトを具体化した。
現庁舎の駐車場や教育委員会棟の跡地に建設する新庁舎は、構造をS造一部RC造、階数を地上3階建、延床面積を約3200m2とする。架構形式は耐震壁・ブレース付ラーメン構造。官庁施設の総合耐震計画基準を踏まえ、新庁舎の耐震安全性の分類は構造体をⅠ類、建築費構造部材をA類、建築設備を甲類とする。
新庁舎の1階には、町民課や福祉課、会計課といった窓口機能のほか、町民スペースや情報コーナー、キッズスペースなどの交流機能を配置。2階には行政機能として、その他の各課や町長室などを配置するとともに、災害対策室などの防災拠点機能を設ける。議場や議会事務局などの議会機能は3階に集約する。
敷地内にはこのほか、木造平屋建延べ約120m2の倉庫車庫棟も新設。新庁舎の南西側にあたる国道218号線沿いに来庁者駐車場兼多目的広場を整備するとともに、隣接する国民健康保険病院の駐車場と公用車駐車場が一体的に利用できる計画とする。敷地の有効活用を図るため、町道立壁高畑線と貫原橋は移設する(整備中)。
エネルギーを極力必要としない建築デザインと費用対効果が高い省エネ技術を組み合わせた環境配慮型庁舎とし、第二次五ヶ瀬町地球温暖化対策実行計画(2018年11月)に基づき、二酸化炭素排出量の削減に取り組む。また、すべての人が安心して快適に利用できるよう、ユニバーサルデザインを取り入れた庁舎とする。
今回まとめた基本設計をもとに、引き続き、石本建築事務所で施設整備に係る実施設計を進める。計画スケジュールでは、今年10月頃に本体建設工事の入札手続きに着手し、12月頃に着工する考え。工期は約15カ月を計画し、21年3月の竣工、同年4月の開庁を目指す。既存庁舎等の解体工事は4月以降に行う。