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新たな標高の基準構築へ 航空機による重力測量開始

 国土地理院は新たな標高の基準(精密重力ジオイド)を構築するため、日本全国の均一で高品質な重力データの測定を目的とした航空重力測量を開始する。19年度は関東・中部の測定を実施し、22年度までの4年間で離島を除く全国の重力値を測定する。航空機による(離島を除く)全国の重力測量は国内では初めて。

 国土地理院によると、標高を衛星測位で決めようとした場合、日本全国の重力データを用いて標高の基準を構築する必要があるといい、現在の重力データには「山岳部や沿岸海域に空白域がある」「観測時期が古い」―などの課題があるため現在は東京湾平均海面を0㍍とした水準測量で標高を決めているという。

 現在のこうした状況がGPSや準天頂衛星システムなどの衛星測位で正確な標高を決めることで、スマートフォンやドローンなどでを使って簡単に標高が分かるようになり、測量の効率化や公共工事の生産性向上、災害時の迅速な復旧・復興の実現―といった効果が得られるようになるという。

 重力測量は、航空機に超精密なバネばかり(航空重力計)を搭載し、日本全国を10㌔間隔、高度3000~5000㍍で飛行。日本全国の重力値と、既存の地上重力や衛星重力のデータを取得し、新たな標高の基準(精密重力ジオイド)を構築する。