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i-Construction 自治体への普及に本腰

 国土交通省は、建設現場の生産性を高めるi-Constructionの地方自治体への普及に本腰を入れる。ICT施工は、公告ベースで全体の57%に採用している直轄工事と比べ、自治体発注工事の採用率は22%(都道府県・政令市)と低い。自治体の発注工事に多い維持修繕系の工事に対象工種を拡大し、積極的な採用を促す。施工時期の平準化は、工事契約件数で8割を占める人口10万人以上の市に対して重点的に働き掛ける。

 7月17日に開いたi-Construction推進コンソーシアムの企画委員会に報告した。i-Constructionでは「ICTの全面的な活用」「コンクリート工の規格の標準化」「施工時期の平準化」を柱として、2016年度から建設現場の生産性を高める施策を展開。4年目を迎え、今後は自治体への普及に本腰を入れる。

 ICT施工は、起工測量から電子納品までの延べ作業時間を土工で約3割、舗装・河川浚渫で約4割削減する効果を確認している。ただ、直轄工事の採用率が18年度に50%を超えた一方、都道府県・政令市は22%にとどまる。20年度に舗装修繕を対象工種に追加するなど、維持修繕系の工種にも対象を広げ、自治体や自治体工事を受注する中小企業にもICT施工を定着させる。

 施工時期の平準化も、直轄工事と比べて自治体の取り組みが遅れている。平準化率(年度の平均稼働件数に占める4~6月期の平均稼働件数の割合)は、国交省0.85、都道府県0.75、政令市0.67、市町村0.55と、人口規模の小さい自治体ほど低い傾向にある。

 改正品確法で、発注者の責務に位置付けられたことも踏まえ、自治体の取り組みを底上げし、施工時期の平準化をさらに推進する。自治体発注の工事契約件数は、都道府県と人口10万人以上の市で8割を占めており、地域発注者協議会を活用し、まず人口10万人以上の市に重点的に取り組むよう求める。