国土交通省は、下請けに主任技術者の配置を例外的に求めない「専門工事一括管理施工制度」で、対象工種を鉄筋工事と型枠工事にする。主任技術者の専任義務がない3500万円未満の下請け契約を結んだ鉄筋工事と型枠工事では、上位の下請けに主任技術者を専任で配置すれば、同じ業種の直近下位の下請けの主任技術者の配置を不要にする。
この制度は、同法の主任技術者の配置義務を緩和して技術者配置の効率化を図るため、改正建設業法に盛り込まれた。国交省では、現場に配置する技術者が不足するために受注を逃していた下請けの受注機会を確保したり、重層下請け構造を改善する効果を期待している。
改正法では、制度の対象となる「特定専門工事」を土木一式と建築一式を除く施工技術が画一的な工事と規定しており、年内にも定める同法の政省令で、下請け契約の請負代金額3500万円未満の鉄筋工事と型枠工事を当面の対象に位置付ける。
1次下請けがこの制度を活用する場合、1次下請けに同じ業種の建設工事で1年以上の指導監督的な実務経験がある主任技術者を専任で配置すれば、2次下請けには主任技術者の配置を求めない。1次下請けは、主任技術者を配置しない2次下請けと書面で合意するとともに、元請けにも書面で承諾を得る必要がある。
主任技術者を配置しない2次下請けには、3次下請けとの契約を禁止する。制度の活用を許可行政庁に届け出る必要はないが、再下請けが発覚すると監督処分の対象になる。同制度は、改正法の一部を施行する2020年10月以降に活用できるようになる。