国土交通省は7月11日に開いた「ICT導入協議会」で、9月からICT施工の工種の追加や技術基準の改定に関する提案を関係団体から募集する方針を示した。施工者やメーカーの提案を基準に反映することで、ICTを活用できない工種や工程を減らし、建設現場の生産性をより高めるのが狙いだ。提案内容を検証した上で基準に反映し、早ければ2020年度の直轄工事に適用する。
ICT施工の技術基準は、直轄事業での試行の成果などを踏まえ国交省が定める。同省は、ICT施工の対象を道路工事と河川工事の現場で施工される全ての主要工種に拡大したい考え。直接工事費や人工の割合が高い工種について、ICT施工の対象を順次拡大している。
19年度は、地盤改良工(深層混合処理工)、法面工(吹付法枠工)、舗装工(修繕工)の3工種で技術基準を策定し、20年度から直轄工事に適用する。これらに加え、民間からの提案を技術基準に反映させる枠組みを構築し、ICTの適用範囲を一層拡大する方針だ。
具体的には、ICT導入協議会に参加する団体・機関から、ICT関連の新技術を活用した技術基準、既存技術を活用した新工種、既存の技術基準の改定などに関する提案を求める。ICT活用による作業日数の減少、手待ち・手戻りの減少などの効果を検証した上で基準に反映、可能なものは20年度から適用する。
国交省は11日の協議会で、地方自治体発注工事のICT施工に専門家を派遣する「現場支援型モデル事業」についても説明。同省は、モデル事業で支援した19工事で発生した課題と対応事例を整理し、事例集として他の自治体や施工者に展開する。19年度のモデル事業は、近く支援対象の自治体を選定し、施工計画の立案などを支援する。