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民間活力の導入可能性を調査 宮崎港官民連携複合ビル

 宮崎県は、経年劣化が進む宮崎港周辺の行政機関やフェリーターミナルの集約化に加え、民間施設等の入居を想定した官民連携型複合ビルの整備について検討を行う。防災及び観光拠点としての活用を視野に、今年度、複合ビルの導入機能に関する検討を行うほか、民間の資金やノウハウを活用した施設整備の可能性を調査する。

 宮崎港周辺に於いては、JR宮崎駅と宮崎港を結ぶ都市計画道路の整備や土地区画整理といった様々な環境の変化が生じている一方、既存のフェリーターミナル(S造2階建延べ1086m2)や中部港湾事務所(S造2階建延べ277m2)の老朽化が進み、津波発生時に於ける安全な緊急避難場所の確保も大きな課題となっている。

 これらの課題を背景に県では、老朽化が進むフェリーターミナルと中部港湾事務所の集約化を図りつつ、さらには民間施設が入居することで、津波避難や災害復旧等の防災拠点、本県の海の玄関口としての観光拠点等の機能を有する複合施設の整備を想定し、PPPやPFIといった官民連携による整備手法に関する検討を進める。

 昨年11月には、宮崎県と宮崎市など4市、県内の2金融機関が運営する宮崎県・地域PPPプラットフォームが主催したセミナーで、宮崎県土整備部県港湾課の担当者が施設の整備構想や進捗レベルを説明。セミナーに参加した民間企業の担当者らに対し、資金面や収益施設等に関する意見を随時寄せてもらよう呼び掛けていた。

 これまでの取り組みを踏まえ、県は2019年度当初予算に「宮崎港官民連携型複合ビル整備手法検討事業」に係る費用として2138万円を盛り込んだ。19年度は、導入機能の整理やモデルプランの作成といった複合ビルに関する検討、民間活力の導入可能性調査のほか、課題の整理や整備方針に関する検討を行う予定でいる。