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循環型社会の形成へ姿勢示す 宮崎県産業資源循環協会

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▲写真は挨拶する田村会長、総会の模様

 一般社団法人宮崎県産業資源循環協会(田村努会長)は6月4日、宮崎市内で2019年度「第7回通常総会」を開催した。4月の名称変更から初の総会となった会合には、会員企業の代表らが多数出。18年度事業実績及び収支決算、19年度事業計画案及び収支予算案、役員補充選任案について審議を行った。

 挨拶で田村会長は、相次ぐ自然災害を背景に、国民の防災への関心が高まる中、協会が県や一部の市町と防災協定を締結していることを説明。いつ、どこで起こるか分からない災害に対し、被災直後の連絡体制や資機材・人的対応、暫定仮置き場の確保及び運用を検討しながら、全市町村との連携を早急に進めていく考えを示した。

 また、喫緊の課題であるゴミの扱いや再資源化に関して、「単なる産業廃棄物処理の受け手から、資源やエネルギーを生み出す作り手へと移行する我々が、循環型社会の形成を目指していく姿を明確に示していく必要がある」と述べ、そのための事業を積極的に展開していくにあたり、会員に理解と協力を求めた。

 表彰式では、会長表彰の功労者表彰を受賞した河東光浩氏(太信鉄源)と谷口信幸氏(谷口重機建設)、同じく優良事業所表彰を受賞した農興産業と熊田原工務店、同じく優良従事者表彰を受賞した▽竹内昭一氏(原田建設)▽山脇豊次氏(富岡建設)▽石川幸人氏(西日本発酵)▽赤星和人氏(栄高産業)―の4人に、表彰状と記念品が贈られた。

 来賓祝辞では、河野俊嗣宮崎県知事(代読=佐野詔藏環境森林部長)、丸山裕次郎県議会議長(代読=野﨑幸士議員)、戸敷正宮崎市長(代読=永易貞幸環境部長)、宮崎県建設産業団体連合会の山﨑司会長が挨拶。河野知事は、循環型社会の形成に向けて、廃棄物の適正処理の推進や不法投棄防止等に努めてもらうよう呼び掛けた。

 田村会長を議長に選出して行われた議案審議では、18年度事業実績及び収支決算報告、19年度事業計画案及び収支予算案、役員(監事)補充選任案の各議案について事務局から説明があり、いずれも原案どおり承認された。

 19年度の事業計画では、資源循環のための再生利用促進や不法投棄、不適正処理の防止、会員相互の連帯強調、関連団体及び行政からの受託事業に加え、優良事業認定を推進するための組織を立ち上げるなど、産業廃棄物処理業の健全な発展や県民の生活環境の保全等に寄与する事業を展開することを確認した。

 具体的には、リサイクル製品の利用促進や再生利用に関する相談、不法投棄防止啓発キャンペーンの実施、優良認定取得相談窓口の設置、後継者の育成、会員への各種情報の提供、先進的処理事例等の調査研究事業、組織の強化及びコンプライアンスの向上、各種講習会及び研修会の開催、災害廃棄物の処理体制の構築等に取り組む。

 当日はこのほか、労働安全衛生に関する研修会も開催。講師を務めた宮崎労働局労働基準部健康安全課の担当者が、県内に於ける死傷災害の発生状況、産業廃棄物処理業に於ける死傷災害の類型について説明するとともに、具体的な事故事例を示し、発生状況から原因を分析して再発防止策を解説した。