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人口減少、防災・減災対策費など 宮崎県の6月補正予算案

 宮崎県は5月31日、一般会計補正額を96億6793万円とする2019年度6月補正予算案(肉付予算)の概要を発表した。補正予算案には、人口減少対策基金への積立金30億円、防災・減災、国土強靱化対策に係る県単独公共事業費として約28億円などを盛り込んだ。補正後の一般会計予算総額は6051億8793万円となり、前年度当初予算と比較して233億9793万円(4.0%)の増額となる。

 昨年12月に行われた知事選挙の影響を考慮し、県の19年度当初予算は骨格予算として編成していたため、今回の6月補正予算を肉付予算と位置付ける。当初予算と合わせた19年度予算に関して、厳しい財政状況下にあって、喫緊の課題に適確に対応しつつ、「みやざき新時代」を築く予算として編成した。

 6月補正予算案では、人口減少対策として設置する宮崎県人口減少対策基金への積立金に30億円、同基金を活用した26事業に6億円をそれぞれ計上。防災・減災、国土強靱化対策に係る県単独公共事業に28.4億円、その他の事業に3.1億円を配分するほか、国庫補助事業決定等に伴う補正事業に29.1億円を計上する。

 人口減少対策基金を活用した事業では、UIJターン者に対する移住支援金の支給や地域課題の解決に取り組む起業者の支援、次世代の人財育成事業のほか、一定の専門性や技能を有する外国人を受け入れる建設業者等に対し、外国人を雇用する際に必要な経費を補助する「建設産業外国人材確保支援事業」(予算額200万円)に取り組む。

 防災・減災、国土強靱化対策事業では、国の補助公共・交付金事業との一体的な整備により一層の効果が見込まれる県単独公共事業費を計上。地域防災計画上の避難道路整備や橋梁耐震対策等の道路事業に20億円、護岸整備等の河川事業に5億3000万円、急傾斜地崩壊防止施設整備に1億9000万円、治山施設整備に4000万円、漁港施設整備に8000万円を充てる。

 その他の事業として取り組む宮崎駅西口駅前広場整備事業には3億円を計上。民間事業者による宮崎駅西口の複合ビル建設に併せ、陸の玄関口である宮崎駅の西口駅前広場を整備し、宮崎駅から中心市街地への人の流れや賑わいの更なる創出を図る。総事業費は9億3000万円。測量及び設計、広場舗装工、シェルター(通路屋根)設置、照明等設置、植栽等整備に取り組む。

 一方、国庫補助事業決定等に伴う補正事業では、補助公共・交付金事業として、環境森林部が所管する山地治山事業や自然公園等整備事業、森林整備事業、地方創生道整備推進交付金事業、林業専用道整備事業、山のみち地域づくり交付金事業に14億5000万円、県土整備部が所管する公共道路維持事業、ダム施設整備事業、公共砂防事業に5億9600万円を補正する。

 また、林業経営の集約化が見込まれる地域の路網整備費を補助する持続的林業推進路網整備事業に3600万円、中山間地域の低コスト耐候性ハウス整備費を補助する中山間地域所得向上支援事業に3100万円、農業用ハウスの補強や防風ネットの設置費等を補助する農業用ハウス強靱化緊急対策事業9600万円、ウナギの養殖施設整備費を補助する水産業強化支援事業に1億5400万円を補正する。

 このほか、宮崎市郡医師会病院等に於ける燃料タンクの整備補助に2000万円、高齢者施設等に於ける非常用自家発電設備等の整備や安全性に問題があるブロック塀等の改修に対する補助に500万円、周産期母子医療センターに於ける給水設備の整備補助に1200万円を計上。

 これらの事業を含めた補正後の投資的経費は1293億0055万円で、前年度当初予算と比較して234億1397万円(22.1%)の大幅増となる。内訳は、普通建設事業費が1139億2543万円(補助777億3056万円、単独288億7774万円、直轄事業負担金73億1712万円)、災害復旧事業費が153億7512万円。