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ICTグローバル戦略を策定 デジタル変革時代見据え

 総務省の「デジタル変革時代のICTグローバル戦略懇談会」(座長、西尾章治郎・大阪大学総長)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成やSociety5.0実現に向けた方策についてのこれまでの検討成果を踏まえ、「ICTグローバル戦略」策定、公表した。

 戦略は、AIやIOTなどの情報通信技術(ICT)の社会への浸透が進む現状を指摘し、超高速、多数接続、超低遅延などの特徴を持つ第5世代移動通信システム(5G)が普及することによって、さまざまな産業で急速にデジタル化が進展すると予測。

 こうしたデジタル化を社会課題の解決だけでなく、人々がデジタル化が生む時間を新しいことへのチャレンジに使い、新しい雇用や産業の創出につなげる必要があると指摘した。

 その上で、▽社会全体のデジタル化を推進し、SDGs達成に貢献する▽わが国が掲げるSociety5.0の理念を世界に広げ、これをグローバルに実現する▽産業構造や労働環境を効率化し、多様なライフスタイルの実現や新たな価値を創造できる豊かな社会を実現する―の三つを基本理念として提示。「デジタル化によるSDGs達成」「データ流通」「AI/IoT利活用」「サイバーセキュリティ」「ICT海外展開」「オープンイノベーション」―の六つの戦略の推進をうたった。

 このうち「デジタル化によるSDGs達成戦略」は、わが国には社会の変化への対応やソフトウェア化の進展への対応の後れ、ICT人材の不足、イノベーションの担い手となるベンチャー企業への支援が不十分―といった課題があると分析。官民の各セクターが相互に連携し、社会全体の徹底的なデジタル化を進めていく必要があるとした。

 他方、「AI/IoT利活用戦略」は、AIやIoTが今後の人々の生活や社会に効率性、利便性をもたらすだけでなく、生活様式や社会の有り様を大きく変えていく可能性があると予想。倫理面での検討も必要だとする一方、AIによって解析され、生み出されるデータの価値を考察し「新たな資産」として位置づける必要性を指摘した。