延岡市は、東九州のクロスポイントとしての地理的な優位性を生かし、企業立地を促進するため、東九州自動車道の延岡JCT-IC南東側に新たな産業団地を整備する。開発区域面積は20㌶程度で、総事業費は約28億円を見込む。今年度から設計及び用地取得・交渉に着手し、2022年度~23年度に造成工事を行う見通しでいる。
経済産業省及び日本政策投資銀行の調査によると、全国の工場立地件数や国内の設備投資は上昇傾向にあり、企業が新規に立地する際には、災害リスクや国内強化を重視しているとの調査結果(日本立地センター)もある。県内の企業立地は、製造業で年間20~30件と堅調に推移し、最近では大型企業の立地が相次いでいる。
延岡市内に於いては、クレアパーク延岡工業団地第2工区への立地が加速度的に進み、すでに完売となった。今後の自治体間の競争を勝ち抜くためには、新たな産業団地の整備が喫緊の課題であり、市は17年度に適地選定調査を実施。調査の内容を踏まえ、様々な要件を検討・整理して整備計画案をまとめ、その概要を公表した。
整備計画案では、雇用の場の創出に向けて「企業が国内投資に向おうとしているこの機を逃すことなく、新たな団地の整備を行う」といった整備方針を掲げる。企業進出に関して現在も様々な問い合わせが寄せられていることや、企業の求める立地スピード感に対応するため、「レディメード方式(先行用地造成)」で整備を進める。
新たな産業団地の整備予定地は、「有効面積が10㌶以上確保できる」「高速道ICからのアクセス性が高く、津波等の災害に対するリスクが低い」「都市計画法等の法規制上の手続きなどをスムーズに進めることができる」といった理由から、現在のクレアパーク工業団地から国道10号延岡道路を挟んだ延岡JCT-ICの南東側とした。
団地の規模については、整備による相当の経済効果や他市の事例を踏まえ、クレアパーク延岡工業団地第2工区と同程度の規模とする。概算の開発区域面積は20㌶程度で、分譲面積は約10㌶。これに基づく概算の総事業費を約28億円と試算する。産業団地の整備に関しては、延岡市土地開発公社に委託して実施する予定でいる。
現時点で想定される整備スケジュールは、▽19~20年度=設計、用地取得・交渉▽20~21年度=開発許認可手続・文化財調査▽22~23年度=造成工事。新たな団地の整備と並行して取り組む企業誘致活動では、分譲中のリサーチパーク向洋台への立地やオーダーメイド方式による市有地等への立地なども進める
市は、「新たな産業団地の整備計画概要(案)」をホームページで公開し、市内居住者を対象として7月16日まで意見を募集している。意見は、窓口や郵送、FAX、電子メールで受け付け、意見に対する市の考え方をホームページで公表する。担当課は延岡市商工観光部工業振興課。