▲写真は挨拶する堂地会長、講師の甲斐伸一氏、研修会の模様
宮崎市塗装業協会(堂地隆一会長)は、今年度に新たに立ち上げた土木部会の第1回目となる技術研修会を6月19日に宮崎市内で開いた。研修会には、会員企業の代表や現場の責任者ら約40人が参加。増加傾向にある橋梁補修関連工事に対応するため、橋梁に関する基礎知識や実際の損傷状況、市内橋梁の現状などを熱心に学んだ。
公営住宅や学校施設といった従来の建築物の改修工事に加え、高度経済成長期に建設された社会インフラの老朽化に伴い、近年では橋梁を含む土木構造物の補修工事が増加傾向にある。このため宮崎市塗装業協会では、土木に対応できる技術者の育成を目的として、新たに土木部会を発足させ、19日に第1回目の研修会を開催した。
研修会で挨拶に立った堂地会長は、こういった経緯を説明するとともに、発注機関から土木に対応できる技術者の育成を期待されていることを強調。今回を含めて7月までに計3回開催する研修会を通じて、「安全管理はもちろん、土木に関する施工・品質管理などをしっかりと学んで欲しい」と参加者一同に呼び掛けた。
研修会の講師は、株式会社ジオセンターエム設計部長の甲斐伸一氏。甲斐氏は、建設から50年が経過する橋梁の割合が10年後に50%まで増えることや、道路橋などで5年に1度の近接目視による点検が義務付けられ、その結果に基づき、優先順位の設定や詳細調査、補修・補強設計、工事を進めている現状を説明した。
その後、橋梁に関する基礎知識として、上部構造と基礎構造で構成する橋梁の基本構成や大きく7種類に分かれる橋梁の種類とそれぞれの特徴、主桁や支承、伸縮装置、橋台、橋脚、基礎といった構造部材の名称と主な働きを解説。点検の手法や実際の損傷状況を写真を使って解説したほか、宮崎市内の橋梁の現状も説明した。