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大淀処理場焼却施設を更新 次年度に実施方針公表へ

 宮崎市は、大淀処理場焼却施設の更新計画を定めるにあたり、焼却炉代替施設建設事業の可能性を調査する。更新予定施設は、▽焼却施設▽燃料化施設▽肥料化施設―の3施設。現在と同じ焼却施設としての更新、または新たな燃料・肥料化施設としての更新について検討を行い、次年度の実施方針の公表に向けて、事業手法や公募条件の整理等を行う。

 市では、公共下水道汚泥の半分を大淀処理場の焼却施設で処理しているが、既存施設は4年後に稼動から30年が経過する。他方、2015年度の下水道法改正で「下水汚泥を燃料・肥料として再生利用する努力義務」が明確化されており、既存施設の更新に加え、既存施設に代わる新たな燃料・肥料化施設の検討も進める必要がある。

 施設の更新を検討するにあたり、昨年度には「大淀処理場汚泥燃料・肥料化施設官民連携事業可能性調査業務」を委託。今月7日には、指名競争で「大淀処理場焼却炉代替施設基本設計業務委託」の入札を執行し、日本水工設計が1484万9600円(税抜公表金額1856万2000円)で落札した。委託期間は20年3月16日まで。

 当該業務では、昨年度業務で設定した汚泥量を再精査し、計画汚泥量を決定し、新施設の規模を設定。昨年度業務で検討した汚泥肥料・燃料化事業と現在の汚泥焼却について、コスト、環境、事業の安定性等の観点から比較・検討し、最適な汚泥処理及び有効利用方法を選定する。肥料化事業を採用する場合は販売方法等も検討する。

 選定した汚泥処理・有効利用施設を設置する処理場と位置を再検討するとともに、津波による浸水等予測範囲に設置する際の対策方針、保有施設(脱水機・ホッパー等)の改築更新及び増設等に係る検討を行う。現状の脱水汚泥性状を把握し、施設が過大・過小とならない最適な脱水汚泥性状(燃料化施設への供給汚泥性状)を設定する。

 これを踏まえ、当該事業の範囲や責任分界点の設定、事業を検討する際に必要な項目に関するヒアリング調査、事業の調達における入札・契約形態の整理、事業者選定基準等の検討、概算事業費の算定を実施。次年度の実施方針の公表に向けて、事業者選定スケジュールや採用技術、公募要件等を検討し、実施方針の素案を作成する。

 宮崎市では、当該業務に関連した実証実験等の実施を検討している者からの問い合わせや相談に応じる。受付期間は19年6月7日から10月31日まで、実証実験等の実施期間は19年7月1日から20年6月28日までとする。問い合わせ先は上下水道局下水道部下水道施設課建設第二係(電話0985-26-3336)。

 1994年に運転を開始した既存の汚泥焼却設備は、無砂式流動床焼却炉1基(脱水汚泥焼却能力=60㌧/日)。このほか関連設備として、汚泥乾燥設備(解砕式気流乾燥機、乾燥能力=蒸発水分量44㌧/日)、消化槽加温設備(スプレー塔による乾燥排ガスと消化槽流入濃縮汚泥との直接接触加温)がある。