▲写真は挨拶する松竹会長、表彰式、総会の模様
一般社団法人宮崎県建築士会(松竹昭彦会長)は5月25日、木城町内で2019年度の定時総会を開催した。総会には県内各地から多数の会員が出席。18年度の事業及び収支予算、会計監査報告を満場一致で原案どおり承認したほか、19年度事業計画及び収支予算、顧問の選任等について執行部から説明を受けた。
綱領朗読後、挨拶に立った松竹会長は、建築士がものづくりを通じて人や時代を繋ぐ仕事であり、人々の生活の土台を築く任を負っていることを強調。「にこやかな表情で楽しく、意欲や希望を持って、誠実に職責を果たさなければならない」と述べるとともに、充実した一年となるよう、しっかりと会の運営に努めていく考えを示した。
議長に染川比呂志氏、副議長に外山秋人氏を選出して行われた議案審議では、18年度事業報告及び収支決算を原案どおり承認。また、先の理事会で承認された19年度事業計画及び収支予算、新たな顧問の選任、特別会員について執行部から説明が行われた。
18年度の事業報告の中では、文化財の指定や登録を受けていない古民家・町屋等の地域固有の歴史的建造物の保存・活用を推進するため、ヘリテージマネージャーを中心とした専門家による「みやざき歴史的建造物評議会」を設置したことを説明。所有者等の依頼に応じ、保存・活用計画の作成に関する評価や助言等を行う。
また、19年度の事業計画に関しては、継続能力開発制度や定期講習、技術研修、監理技術者研修等を有効的に活用した建築士としての知識や技術の研鑽のほか、防災関連やまちづくりの面に於いて職能を活かした地域貢献活動を展開することを確認。あわせて、時代に即した活動を通じて、会員増強や退会者減少の施策を講じる。
具体的には、▽次世代建築士の入会促進とベテラン建築士の活動促進▽専攻建築士及びCPD制度の推進▽建築士及び建築技術者を対象とした講習等の実施▽景観整備機構としての業務▽地域貢献活動▽安全・安心なまちづくりの提案と活動▽災害時に於ける協力活動▽違反建築防止及び防災週間行事への協力―などに取り組む。
総会ではこのほか、宮崎県県土整備部営繕課の後藤和生課長に顧問を委嘱。表彰式では、会員増強を達成した高鍋支部と西都支部、日本建築士会連合会の会長賞を受賞した近藤正美氏、同連合会のまちづくり賞(青島ビーチパーク)を受賞した関係者、会員歴25年表彰の23人に対して、松竹会長から感謝状や記念品が贈られた。
■支部や委員会が活動報告
活動報告では、延岡支部の女性委員会が主体となって取り組んだ野口記念館のライトアップ事業に関して、事前準備からライトアップ期間中における様々な取り組みについて説明。宮崎支部は、地元自治会と協力して防災かまどベンチの作成に取り組んだことや、青年部が小学校の生徒達とモザイクタイルづくりに取り組んだことを紹介した。
ヘリテージ委員会や講習委員会、景観整備委員会、青年委員会、女性委員会も昨年度の活動内容を報告。景観整備委員会は、三股町で「みやざき景観フォーラム」を開催し、地元住民と参加した建築士が協力しながら、地域の魅力の再発見やそれらを活かした取り組みに対するアイデアを出し合ったことを説明した。
報告会ではこのほか、宮崎県県土整備部建築住宅課の担当者が、木造住宅耐震化補助事業の拡充や改正建築基準法の改正概要、建築士試験の実務経験の要件を見直す改正建築士法について説明。また、宮崎県木材協同組合連合会の担当者が、外構部の木質化支援事業やJAS構造材利用拡大事業を紹介した。