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創立70周年の節目を盛大に祝う 宮崎県建設業協会

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▲写真は挨拶する山﨑会長、表彰式、総会の模様

 一般社団法人宮崎県建設業協会(山﨑司会長)は5月23日、宮崎市内で2019年度の表彰式と通常総会を開催した。協会創立70周年の節目を迎えた今年度の表彰式では、多数の会員や招かれた来賓が列席する中、90の企業や個人を表彰。総会では、公共事業予算の増額確保や発注・施工時期の平準化、週休二日制の実現に向けた労務単価の引き上げや工事書類の簡素化などを求める決議を、会員の総意として採択した。このほか、特別講演や祝賀会も執り行われ、70周年の節目を盛大に祝った。

 表彰式で挨拶に立った山﨑会長は、受賞した企業30社と個人60人に「本県建設業の発展のため、永年にわたって業務に励まれたことが高く評価された」と敬意を表した。また、建設業界の発展のために、「今後も益々活躍されるとともに、永年培われた経験と技術を職場や現場で若い世代に引き継いでもらいたい」と呼び掛けた。

 山﨑会長はこのほか、少子高齢化の急速な進展に伴い、若手技術者及び技能者の確保や技術・技能の伝承が喫緊の課題であると指摘。働き方改革を時代の流れとして受け止め、適正な利潤を確保して『給与・休暇・希望』という新3Kを実現することで若手入職者を増やし、建設業界が将来的に持続発展できるよう努める考えを示した。

 そのために、各地区建設業協会や青年部連合会、女性の会が実施している担い手確保などの様々な活動を会として積極的に支援するほか、土木施工管理技士会と連携した書類の簡素化や生産性向上の取り組み、建設業労働災害防止協会を中心とした労働安全衛生活動をこれまで以上に推進する考えを示し、会員に理解と協力を求めた。

 河野俊嗣宮崎県知事の挨拶を代読した鎌原宜文副知事は、高速交通網や港湾といった本県の社会資本の整備状況について言及。県土の強靱化をはじめ、整備の必要なインフラが未だ多く残されており、災害対応の観点からも建設業の協力が不可欠であることから、「担い手の確保など、様々な課題に一緒に取り組んでいきたい」と述べた。

 宮崎県議会の丸山裕次郎議長は、建設業が本県の経済や雇用を支える重要な基幹産業であり、災害時等に迅速な復旧に向けて最前線で対応する地域の守り手であることを強調。県議会として、建設産業の健全な発展を支援するとともに、「県民が安心して暮らせる社会基盤の整備促進に引き続き全力で取り組んでいく」と述べた。

 表彰式では各賞の代表に山﨑会長が表彰状を贈呈。謝辞を述べた天井丸建設の阪東和博代表取締役は、建設産業が社会資本の整備や地域の安全・安心を守るという重要な使命を担っていることを強調。「栄えある受賞を機に、更なる技術の研鑽に努め、活力に満ちた住みよい安全な郷土づくりに邁進していく」と意気込みを語った。

 表彰受賞者は次のとおり(順不同、敬称略)。
*全国建設業協会会長表彰
▽会社役員特別功労者表彰=谷口信幸、金子勝生、興梠俊茂
▽会社表彰=川口技建、ひむか開発、東浜興業、吉田工務、大木場産業、別府建設、天井丸建設、大寺建設、井沢建設、寺田建設、有嶋建設、上田工業、山内建設
▽従業員表彰=大森廣太、有嶋浩徳、倉元成彰、松永健一、松尾和明、梅本光徳
*宮崎県建設業協会会長表彰
▽高齢功労者表彰=小野美敏、柳田康幸
▽職員功労者表彰=浜本和樹
▽会社表彰=濱建設、日南建設、内田建設、剣工務店、畑山建設、高山建設、平野建設、柴坂建設、南九建設、吉田建設産業、伊東組、岡田工業、日本ピー・シー・テー建設、村上建設工業、吉本建設、同盟建設、永田建設
▽従業員表彰=黒木誠吾、竹田知巳、甲斐政三、牛谷清文、宇都宮新一、鈴木正裕、丸山治彦、塩月真一、中村久夫、中島真一、髙崎正一、加藤寛、岡部廣幸、古川尚紀、井黒幹雄、榎田浩、高野純幸、高橋郁夫、山下秀樹、田中満、山形猛、益留隆之、中島朋広、安川毅、●吉川和広、力丸尊圭、種子田昌秋、時任吉則、米田哲朗、武田美香、宮部眞次、黒木俊宏、米元辰雄、佐竹正博、中島純宏、西口雄二、嶋本太助、藤田真一、堀上栄三、小林雅和、稲垣浩一、志田和弘、甲斐久幸、興梠謙二、佐藤克久、永野満繁、河内夏男、戸高安則

■9項目の決議など満場一致で採択

 表彰式後の総会で山﨑会長は、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の実施に伴い、県内の公共事業予算が前年を大幅に上回る中、会員企業一丸で円滑な施工確保と事業執行に取り組むため、発注者と踏み込んだ意見交換を行っていくとともに、外国人労働者の受け入れや建設キャリアアップシステムといった新たな制度に関する情報提供に努めていく考えを示した。

 山﨑会長を議長に選出して行われた議案審議では、19年度事業計画及び収支予算について事務局から報告を受けたほか、18年度事業報告及び収支決算、国・県・会員企業に対する9項目の決議案について審議を行い、両議案を満場一致で原案どおり承認した。

 19年度の事業計画では、インフラ整備が遅れている本県への公共事業予算の増額確保や入札契約制度の改善、最低制限価格の引き上げを関係機関に求めていくほか、働き方改革への対応や若年層をはじめとする担い手の確保及び定着支援、災害対応力の強化、戦略的広報活動、生産性向上、法令遵守の徹底等に取り組むことを確認した。

*決議の内容は次のとおり。
▽社会資本の整備を着実に推進するため、公共事業当初予算の増額確保を図ること
▽「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の円滑な事業執行と工事施工に受発注者が一体となって取り組むこと
▽建設企業の健全な経営を確保するため、発注時期と施工時期の平準化を図ること
▽週休二日制実現のため、さらなる諸経費の見直しと労務単価の引き上げを行うとともに、工事書類の簡素化を図ること
▽改正品確法で謳われた適正な利潤を確保するため、施工の実態等を的確に反映した予定価格を設定すること
▽働き方改革を推進するため、毎月第二土曜日の休日確保に努めること
▽ICT技術の活用など、生産性向上に向けた取組を推進すること
▽下請け企業に対し社会保険加入促進を指導すること
▽社会的責任を自覚し関係法令の遵守に努めること。

■大石氏「インフラは将来への贈りもの」

 協会創立70周年を記念して、総会後には一般社団法人全日本建設技術協会の大石久和会長による特別講演が行われた。講演のテーマは、「将来への贈りもの=インフラ」を担う建設産業。我が国の名目GDPや税収、世帯当たりの収入の推移といった様々なデータを示しながら、経済成長を促すインフラ整備の重要性を強く訴えた。

 大石氏は1945年兵庫県生まれ。国土交通省技監を経て、日本道路協会会長や土木学会会長等の要職を歴任し、現在は全日本建設技術協会会長を務める。土木学会会長時の18年6月には、南海トラフ巨大地震等の大規模自然災害に備え、適切なインフラ対策を行うことで損失を3~6割軽減できると提言し、広く注目を集めた。

 講演で大石氏は、伸び悩む経済成長や税収、先進各国から大きく劣後するインフラの整備水準に加え、首都直下地震や南海トラフ地震の可能性、狂暴化する気象に伴う自然災害を「日本の危機」と説明。「質の高いインフラなくして経済成長なし」と述べ、社会を下から支える基礎構造(=インフラストラクチャー)の重要性を説いた。

 大石氏は、自然災害から暮らしと命を守り、経済成長を促すインフラを「過去からの仕送りであり、将来への贈りもの」と位置付け、「過去の仕送りに暮らしを支えられている我々が、将来世代への贈りものをしない自由を持てるはずがない」と指摘。国民の豊かな暮らしを目指し、誇りと自信を持ってインフラ整備に携わるよう呼び掛けた。