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災害対応の手順や体制など再確認 宮崎県測量設計業協会

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▲写真は挨拶する西田会長、講演する來島利明氏、講習会の模様

 一般社団法人宮崎県測量設計業協会(西田靖会長)は5月20日、宮崎市内で「大規模災害対応講習会」を開催した。宮崎県と締結している災害時の被害状況調査に係る応援協力協定を迅速かつ的確に実行するため、会員企業の技術者や行政の技術系職員ら約130人が、災害復旧事業の概要や被害状況調査の実施体制などを再確認した。

 県内各地に甚大な被害を与えた2005年台風14号を踏まえ、宮崎県測量設計業協会は06年8月、大規模災害で広範囲な被害が発生した際に公共土木施設等の被害状況を調査・報告する応援協定を宮崎県と締結。被害状況の調査を迅速かつ的確に履行できるよう、災害復旧事業の概要や調査手順等を学ぶ講習会を毎年開催している。

 挨拶に立った西田会長は、発災直後に於ける初動体制の重要性を訴え、それぞれがどのように行動すべきかを再確認するための講習であることを説明。各地で激甚化・頻発化する自然災害を踏まえ、災害リスクに最前線で対応する協会の責務について言及し、講習を通じて来たるべき災害に備えるよう、参加者一同に呼び掛けた。

 災害復旧事業をテーマに講演を行った宮崎県県土整備部河川課災害担当リーダーの來島利明氏は、災害復旧の制度を知ることや対応力を身につけること、経験を伝えることが技術者としての「災害対応力の強化」につながると述べ、災害復旧事業の採択要件や採択範囲、災害査定の流れ、災害査定の留意点について解説した。

 災害査定に関して來島氏は、申請者(地方公共団体)・査定官(国土交通省)・立会官(財務省)の3者合意について解説。合意後には原則としてその内容を変更できないことから、現場の状況をしっかりと把握し、設計段階で必要と考えられるものは全て申請しておくことが、工事発注時の不調・不落の防止にもつながると述べた。

 講習会ではこのほか、協会の野尻周男技術委員長が県との基本協定の内容や有事の際の連絡体制等について、児玉勇人技術副委員長が被害状況の調査方法や報告書の作成方法等を示した実施要領(マニュアル)について解説。同じく鬼束宜朗総務委員長は、労働安全衛生法の概要や調査測量作業中の安全対策等について説明した。