▲写真は研修会、見学会の模様、干支大橋現場空撮写真
宮崎県延岡土木事務所(大坪正和所長)と旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役)が主催する「鋼橋維持管理研修会及び現場見学会」が、5月14日に同社が施工する延岡市の干支大橋耐震補強工事の現場等で開かれた。国や県、市の技術系職員や県内塗装工事業の技術者ら約80人が参加。電磁誘導加熱式塗膜除去工法(IH工法)を県内で初めて実演するなど、鋼橋の塗り替えや安全管理、維持管理・耐震補強に関する理解と見識を深めた。
鋼橋維持管理研修会及び現場見学会は、国内有数の山岳橋梁群を守る最新の技術や工法を広く知ってもらおうと、延岡土木事務所及び旭建設が共催したもの。極東メタリコン工業株式会社、宮崎県鋼橋コンクリート構造物塗装協同組合、松山塗料商事株式会社、好川産業株式会社が協力した。
延岡市北方町の旧城小学校体育館で行われた研修会では、延岡土木事務所道路課の山下明男課長が「専門家の講演を聞ける良い機会。しっかりと勉強していただき、今後の業務に活かして欲しい」と挨拶。続いて、干支大橋耐震補強工事の監理技術者を務める旭建設工事部の田中秀伸氏が工事概要や進捗状況を説明した。
ブラスト施工技術研究会の小寺健史会長と一般社団法人リペア会の松永昭吾副会長を講師に迎えた研修では、小寺氏が「鋼橋塗替えの『今』と安全管理」と題して、塗膜剥離や素地調整、有害物質対策について説明。松永氏は「鋼橋の維持管理と耐震補強」をテーマに、橋梁の地震被害や維持管理・耐震補強について解説した。
干支大橋耐震補強工事の現場では、アーチ基部で塗膜剥離工法の比較を行った。宮崎県鋼橋コンクリート構造物塗装協同組合の園田龍男理事長が塗膜剥離剤工法について、極東メタリコン工業の小寺健史代表取締役専務がIH工法について解説し、実演作業の模様を見学した。参加者は、写真を撮ったりメモを取るなどして、熱心に説明に聞き入った。
研修会及び見学会を総括した延岡土木事務所の大坪所長は「実際に塗膜剥離の現場を見ることは少なく、貴重な経験となった。機会があれば、研修会や見学会を開催したい」と話した。旭建設の那須康隆現場代理人は「IH工法はまだ当社でも導入していないが、新技術を広く知ってもらうために見学会を開催した。少しでも興味を持っていただき、県内での新技術の導入が進めば」と話した。