国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所は、管内の２０１９年度新規事業等をまとめた。河川・ダム関係では、新規事業化された岩瀬ダム再生事業のほか、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策として、河道掘削や樹木伐採等を実施する。道路関係では、国道２２０号油津・夏井道路の整備や江平五差路交差点改良に取り組む。
大淀川水系岩瀬川の岩瀬ダム再生事業(小林市・都城市)では、洪水期に於ける既設ダムの発電容量及び死水容量を洪水調節容量に振り替えることで、洪水調節容量を現況の約３５００万m3から約５０００万m3に増大させるとともに、容量振替分に対応できる放流設備の増設等を行うことにより、下流域の治水機能の向上を図る。
全体事業費は約５００億円。１９年度当初予算に９０００万円を盛り込み、第１四半期に総合評価検討業務(総合評価検討一式)や本体構造他検討業務(再生構造検討一式及び環境調査計画立案一式)、堤体地質調査(その１)業務(ボーリング調査Ｌ＝１３０ｍ×２本)、堤体地質調査(その２)業務(前同)の入札を行う予定でいる。
また、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策は、近年の災害を踏まえて実施した重要インフラの緊急点検結果に基づき、２０２０年度までに事業費７兆円を投じて集中的な対策を講じるもの。宮崎河川国道事務所管内では、大淀川の河川改修事業として、宮崎市福島・大塚地先の河道掘削(Ｖ＝５０００m3)を実施する。
１９年度に新規事業化された一般国道２２０号油津・夏井道路では、東九州自動車道で唯一の未事業化区間である日南市平野～志布志市志布志町(約３４㎞)のうち、日南市平野～南郷町中村甲の油津区間(延長６．４㎞)と、串間市串間～志布志市志布志町の串間・夏井区間(延長１４．１㎞、県内区間は約９．７㎞)を整備する。
油津区間は約６割(４．０㎞)が土工で、区間内にトンネル１箇所と橋梁６基、インターチェンジ２箇所の整備を計画。串間・夏井区間は約９割(１２．６㎞)が土工で、区間内にトンネル２箇所と橋梁９基、インターチェンジ３箇所の整備を計画する。全体事業費は約７５０億円。１９年度当初予算に１億６２００万円を盛り込んでいる。
一方、人身事故が多発している江平五差路交差点(宮崎市)に関しては、「運転者の不注意」による事故が７割以上を占めていることを踏まえ、１８年度に注意看板の設置や路面標示の強調等の速攻対策に取り組んだ。対策会議での議論を経て、１９年度は①案内標識の改善②カラー舗装③右折車線の延伸―の追加対策を講じる予定でいる。