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技術者情報ネットワークを活用 確認資料の提出不要に

 国土交通省は、技術者の工事実績や保有資格を蓄積したデータベースを統合する「技術者情報ネットワーク」を2019年度から直轄事業で活用する。工事実績(コリンズ)と業務実績(テクリス)、保有資格、継続教育(CPD)単位などのDBを統合。技術者にIDを与えた上で、実績や保有資格をこのネットワークで確認し、入札参加時の競争参加資格確認資料の提出を不要にする。19年度は合わせて、コリンズへの工事従事期間の登録を簡素化する試行も拡大する。

 個別のDBに蓄積されている工事実績、業務実績、保有資格、継続教育、表彰実績を統合し、入札契約手続きで効率的に技術者情報を把握し、活用できるようにする。

 直轄事業の総合評価では、受注者が提出する競争参加資格確認資料が約15種類・70枚に上るなど、資料作成の手間が大きい。

 技術者情報ネットワークの構築により、発注者は技術者に与えられる共通IDで検索すれば、実績や保有資格を閲覧できるようになる。受注者も個々の入札で確認資料の提出が不要になり、書類作成の負担が軽減される。

 若手技術者の実績も評価しやすくなり、若手技術者の監理技術者としての現場配置を促進する効果も期待できる。

 コリンズへの工事従事期間の登録も簡素化する。同省は18年度、スマートフォンのアプリケーションで現場入場時に技術者の本人認証(顔認証)を行い、GPSで所在地を確認する試行を開始。竣工時には入退場の履歴を確認できるため、コリンズへの工事従事期間の登録を省略できる。19年度はこの試行を拡大してさらに効果を検証する。

 今年2月には近畿地方整備局で監理技術者の登録不正(競争参加資格確認申請資料の虚偽記載)が発覚しており、国交省は、技術者情報ネットワークなどの活用により、こうした不正を防止する効果も期待している。