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基本設計の概要公表、今秋着工目指す 西都市新庁舎

 西都市は3月1日、新庁舎建設事業に係る基本設計の概要を公表した。免震構造を採用するRC造一部S造5階建延べ7248m2の新庁舎棟や防災広場として活用できる公園、駐車場等を整備する計画。引き続き、業務を受託する久米設計と実施設計を進める。計画では今秋にも工事に着手し、平成33年(2021年)5月の開庁を目指す。

 建設から50年超が経過する本庁舎は経年劣化が進み、平成24年度に実施した耐震診断では「巨大地震で倒壊または崩壊する可能性が高い」ことが確認されている。合わせて、西棟や南・西庁舎、北別館等に機能が分散し、市民の利便性や事務処理の効率性が低下するなど、多くの課題も抱えていることから、新たな庁舎を建設する。

 平成29年度に策定した新庁舎建設基本構想・基本計画では、現庁舎が抱える課題や市民アンケート調査の結果等を踏まえ、「防災の拠点となる庁舎」「誰もが利用しやすい庁舎」「効率性・機能性を重視した庁舎」「環境に配慮した庁舎」を掲げる。市は、これらの基本方針を踏まえ、施設整備に係る基本設計をまとめた。

 整備箇所は、既存の現庁舎やコミュニティセンター、平田公園等を含む区域一体で、敷地全体の面積は2万1261m2。南側に移転新築する新庁舎棟に加え、既存の西棟とコミュニティセンターは改修して活用する(コミュニティセンターは実施済)。平田公園は同規模のものを防災広場の役割を付加して敷地内に移転整備する。

 敷地内には誘致を予定する店舗の整備箇所も確保する計画。駐車場は、新庁舎棟の敷地東側(旧平田公園)に来庁者用117台、西側(県道側)に公用車用63台をそれぞれ集約して整備し、移転整備する平田公園の北側にも127台分を確保する。歩行者エリアと駐車場エリアを区分することで、敷地内の交通安全性を高める。

 基本設計段階に於ける新庁舎棟の規模は、RC造一部S造の地上5階建で、延床面積は7248m2。剛性及び耐久性の高い構造とし、基礎免震構造を採用して防災拠点としての機能を維持する。建物中央の吹抜けに沿ってエレベーターや階段、廊下を設けるとともに、吹抜けを囲むようにして風車型に執務エリアとコアを配置する。

 市民課や税務課、健康管理課、福祉事務所といった窓口部門は全て1階に配置し、幅広い利活用ができる多目的スペースも設ける。2階には各課の連携がとりやすいように事業課を集約して配置し、3階には執行部や総務系部署、教育委員会を配置する。4階は独立性の高い議会エリアとし、屋上の5階部分には電気室を配置する。

 新庁舎の整備に際しては、全方位性のある市のランドマークとしての景観計画や、分かりやすい窓口配置・サイン設置、車いす及びストレッチャー対応のエレベーターを設置するなどのユニバーサルデザイン計画、省エネルギーの推進や自然エネルギーの活用等を見据えた環境計画、様々な災害を想定した庁舎BCP計画も講じる。

 新年度の着工を見据え、市は平成31年度当初予算案に新庁舎建設事業費として17億2330万円を盛り込んだ。内訳は、実施設計ほか委託料に9211万円、敷地造成・本体ほか工事費に15億8806万円など。予算案ではこのほか、32年度に27億3025万円、33年度に3億1376万円を充てる継続費も設定している。