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今夏にも実施設計まとめ 日之影町新庁舎建設計画

 新庁舎の建設計画を進めている日之影町は3月8日、基本設計の概要をホームページで公開した。宮水地区にある既存の町民センター及び福祉館を解体し、跡地に庁舎機能や町民センター、福祉館、図書館等の機能を兼ね備えた主として鉄筋コンクリート造3階建の複合施設を整備する。計画では、今夏にも実施設計をまとめ、平成31年度~32年度に建設工事を行う予定でいる。

 2月14日に日之影町民センターで日之影町新庁舎建設委員会及び日之影町民総合文化施設検討委員会の合同会議を開き、基本設計説明書の概要を委員に報告した。

 現在の役場庁舎は経年劣化による建物や設備の老朽化が進み、社会情勢の変化に伴う様々な機能の不備もさることながら、防災拠点としての耐震基準を満たしていないなど様々な課題を抱えている。将来の社会情勢を見据えつつ、現庁舎を取り巻く様々な課題を解消し、住民サービス行政効率の向上を図るため、新たな庁舎を建設する。

 昨年には新庁舎建設基本計画を策定。施設整備の基本方針に、①町民に開かれた誰もが利用しやすい庁舎②防災拠点となる庁舎③町民サービスの向上が図られ効率的な行政運営の場④議会活動を推進する場⑤環境にやさしいぬくもりを感じられる庁舎―を掲げ、これに基づき、設計業務を受託する綜企画設計と基本設計をまとめた。

 計画地は、町民センターや福祉館が立地する宮水地区の敷地(6800m2)。国道218号からのアクセスも近く、付近には病院や保健センター、特別養護老人ホーム等の福祉施設、小中学校等の公共施設が立地しており、相互の利便性が高い。災害発生時には、防災拠点施設として救援関係機関等と早期に連携することができる。

 現時点で新施設の延床面積については明らかにしておらず、進捗中の実施設計業務の中で詳細を詰めていく。また、想定される地震被害に対し、防災拠点としての機能を維持するため、官庁施設の総合耐震計画基準に規定される耐震安全性の目標を▽構造体=Ⅰ類▽建築非構造部材=A類▽建築設備=甲類―として計画を進める。

 新庁舎の1階には、町民課や税務課、会計課といった窓口部門等の執務スペースのほか、図書室や町民ホール、和室、調理実習室を配置。2階にはその他の執務スペースのほか、町長室や副町長室、防災会議室を配置し、災害時に迅速な対応が可能になるようにする。3階には議場等の議会関連書室を集約して配置する。

 眺望の開けた北側に庁舎機能を集約させ、国道218号からも分かりやすく、町のランドマークとなる施設とする。メインエントランス付近に玄関ホールや町民ホール、図書室を近接して配置することで連続した賑わいを創出し、閉庁日も利用できるようにする。新庁舎へのアクセス道路として町道町立病院役場線も新設する。

 官庁施設の環境保全性基準を踏まえ、高断熱複層ガラスや個別空調システム、自然排気塔を利用した換気システムを採用するなど、建築環境総合性評価システム(CASBEE)評価でAランクの性能を満たす建物を目指す。また、来庁する全ての人に分かりやすく、安全で利用しやすいユニバーサルデザインを取り入れる。

 町は、開会中の定例議会に上程している平成31年度当初予算案に、新庁舎の設計や工事、既存施設の解体工事費として約10億円を盛り込んだほか、32年度の継続費として9億8104万円を設定している。計画では、今夏にも実施設計を完了させたのち、31~32年度の2箇年で工事を進め、33年3月の竣工を目指す。