建築鉄骨の製作と検査に関わる既存の三つの資格を一元的に管理・運営するため新たに発足した一般社団法人鉄骨技術者教育センター(理事長・甲津功夫大阪大学名誉教授)が3月6日、4月からの本格的な資格認定業務の開始に向けて、関係団体や行政の関係者を集め、同センターの設立報告会を東京都内で開いた。
同センターが管理・運営するのは「鉄骨製作管理技術者」と「建築鉄骨製品検査技術者」「建築鉄骨超音波検査技術者」の3資格。これまで鉄骨製作管理技術者登録機構や日本鋼構造協会など複数の機関がそれぞれの試験や、資格者の認定・登録を実施していた。
2019年度以降、試験や講習を含め3資格の管理・運営を同センターに一元化し、建築鉄骨の品質高度化へのニーズに対応する。さらに総合的な技術者教育を行い、建築鉄骨の信頼性を向上させる。
設立報告会では甲津理事長が「日本の鉄骨建築の品質は世界最高水準にある。これを支えるのが三つの資格者」だと述べ、センターの設立の背景や目的、運営体制などを説明した。そして、センターの設立を支援した団体や行政の関係者に感謝の言葉を述べた。
また、来賓として訪れた国土交通省住宅局建築指導課の遠山明建築物認定調整官が「南海トラフ地震など大地震の発生が切迫する中、建築の安全性に対する要求が高まっている」と指摘。同センターの役割への期待を話した。
さらに東京都都市整備局の中川昇一建築構造専門課長が、同センターが担う教育機能に関して「若者に技術力を継承するとともに、より良い建築を造るモチベーションを高めてほしい」と述べた。
同センターには現在、関係団体13団体が加盟している。3資格の認定登録者には、3月末までに新たな登録証を送付する。