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ドローン搭載型グリーンレーザー開発 アミューズワンセルフとパスコ

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▲河川鳥瞰段彩図

 アミューズワンセルフ(大阪市、佐野ひかる代表取締役社長)とパスコ(東京都、島村秀樹代表取締役社長)は、国土交通省が主導し、オープンイノベーションで実施した「革新的河川管理プロジェクト」の成果として、「陸上および水中を面的に計測するグリーンレーザースキャナー」の開発に成功した、と発表した。両社は同プロジェクト(第1弾)のテーマの一つとされた「陸上・水中レーザードローン」開発チームの1チームとして参画。2017年4月から共同で開発を進めていた。

■アミューズ「ドローン搭載型グリーンレーザースキャナーの開発は世界初」

 アミューズワンセルフのCTO(最高技術責任者)で、グリーンレーザースキャナーの開発責任者でもある冨井隆春氏は、「陸上部と水中部を同時に面としてスキャンできるドローン搭載型グリーンレーザースキャナーの開発は、世界で初めて」と話している。

 13年に世界に先駆けてドローン搭載型(赤色)レーザーシステムを開発していた同社は、陸上と水中を高精度に計測できる低価格のレーザードローンの研究開発を17年4月からパスコと共同で進めてきた。

 その結果、アミューズワンセルフは赤色レーザーではできない水面下の測量、地形の把握や、ドローン測量ではできない植生下の面的連続データ(3次元データ)の収集を可能にするグリーンレーザーの開発に成功。ドローン搭載型のレーザースキャナとして総重量2.8㌔の小型・軽量化も実現。積載可能重量が3㌔以上のドローンであれば、機種を選ばない運用も可能にした。

■パスコ「点群編集を容易に、計測成果を見える化」

 一方、同社とチームを組んだパスコはドローンレーザー計測に必要な▽3次元点群出力・キャリブレーションアプリ▽3次元点群編集(点群データのノイズ除去、フィルタリング処理、3次元地形モデルへの変換)▽点群および3次元地形モデルの閲覧と簡単な解析―ができる三つのアプリケーションを開発。計測計画の立案や、高度で手間のかかる3次元点群生成作業、点群編集などを簡単に行えるようにして3次元データを可視化。河川管理でよく利用される機能を実装、活用できるようにした。

 パスコは、今回の国交省主導のプロジェクトで得られた成果を高度で効率的な河川管理の実現につなげていくとともに、i―Constructionの領域や国土強靱(きょうじん)化などのインフラ維持管理の分野、さらに国土保全の技術分野でも活用範囲を広げていく考えだ。