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河道掘削など対応策の素案示す 大淀川内水被害検討会

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▲写真は検討会の模様

 平成30年9月の台風24号に伴う豪雨で生じた大淀川の内水被害について話し合う検討会の第2回会合が、2月7日に国土交通省宮崎河川国道事務所で開かれた。地元説明会や区長説明会、第1回検討会で寄せられた意見を踏まえ、今会合では国土交通省や宮崎県、宮崎市が取り組む対応策の素案を事務局が示し、意見を交わした。

 検討会は、宮崎大学の杉尾哲名誉教授、同工学部国際教育センターの村上啓介教授、同工学部社会環境システム工学科の入江光輝教授のほか、宮崎河川国道事務所、宮崎県、宮崎市の関係者で構成。学識者の指導・助言を踏まえ、瓜生野川・江川・瓜田川・飯田川の4流域に於ける家屋の浸水被害軽減に向けた対応策を検討している。

 今会合では、昨年10月から11月にかけて行った地元説明会や区長説明会のほか、今年1月15日に開かれた第1回検討会の内容を踏まえ、▽ハード対策▽ソフト対策▽維持管理▽災害後の支援体制▽危機管理―のカテゴリー別に課題や意見を分類し、それぞれのカテゴリーで想定される対応策の素案について意見を交わした。

 ハード対策として地元から要望があったポンプの増設等に関しては、宮崎市内に設置されている排水機場の計画規模が全て10年に1度の降雨を対象としており、当該地域のみ計画規模を変更することは難しいとした上で、河川整備計画に基づく本川の河道掘削を行うことで、支川流域の内水被害軽減につなげる考えを示した。

 このほか、支川がどのような状況にあるのかをリアルタイムで把握できるよう、監視モニターや水位計を設置し、リアルタイムで情報を公開する案を提示。内水監視員制度を活用した監視体制の強化に加え、大型ゴミの漂着によるポンプ停止等に備えるため、瓜生野川及び江川排水機場に大型ゴミ用スクリーンを設置する案も示した。

 これらのハード対策と併せて、必要に応じた施設の修繕や河道内の土砂撤去・樹木の伐採等の維持管理に取り組む。ソフト対策や危機管理への対応では、出前講座等による地域住民の水防災意識の向上、施設の稼働状況に関する情報提供、過去の内水被害を記載したハザードマップ等による早期避難の促進・啓発等に取り組むとした。

 意見交換の中で委員は、前述のハード対策のほか、ソフト対策や危機管理への対応の重要性を指摘。早期の避難を促すため、住民主体で水害に備えるといった意識付けの取り組みを強化することや、地元メディア等と連携してリアルタイムで目に見える各地域の情報を提供する仕組みが必要などと助言した。

 会議の配付資料等は、宮崎河川国道事務所、宮崎県、宮崎市のホームページに掲載する。今年度内に開催する第3回検討会で対応策案を決定する。