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旧市民会館は解体、当初予算案に費用計上 都城市

 旧都城市民会館の今後のあり方を検討していた都城市は2月5日、既存施設を「解体」する方針を決定した。民間企業等から活用に関する提案がなかったことや、市民アンケートで「解体」とする回答が多数を占めたことから、「旧市民会館の解体はやむを得ない」と判断した。市は平成31年度当初予算案に解体工事費等を計上する。

 世界的な建築家の故・菊竹清訓氏が設計し、建築学的にも価値の高い旧市民会館は、施設の老朽化や新たな総合文化ホールの開館を背景に、19年3月に閉館。施設解体の方針を固めた直後、活用案を示した南九州学園と使用貸借契約を結んだが、保存や活用に多額の費用が生じることから、同学園は市に施設の返還を申し入れている。

 コンクリートの剥落など老朽化によるリスクが顕在化し、周辺住民の不安が増大していることを受けて、市は閉館直後の解体予算可決という議会の意思を尊重する一方、民間企業等が財源確保に目算のある保存活用の提案を行うのであればこれを尊重するとの考えを示していたが、今年1月の期限までに採択できる具体的な提案はなかった。

 これまでの経緯を踏まえ、市は「改修保存に多額の費用をかけることは、多くの市民の意思に沿うものではない」「方針決定を先延ばしにすることは、安全管理上の問題を存置することになる」との考えを示し、施設の解体はやむを得ないと判断した。31年度当初予算案に、既存施設の解体費等やメモリアル事業費を計上する予定でいる。