建設ネット企画画像 四角 四角

電子契約導入で自治体研究会 本県など27団体が参加

B00055456_1

▲設立総会の模様

 地方公共団体の公共事業での電子契約の導入に向けて、2府19県6政令市の計27団体が「自治体電子契約研究会」を設立した。法令や運用に関する課題などを情報共有するとともに、各団体で汎用的に利用できる、業務や機能、設備などの要件定義資料を、2019年度上期をめどに作成したい考えだ。

 設立総会を2月12日に東京都内で開き、規約や今後の活動を決めるとともに、会長として、設立発起人である静岡県交通基盤部建設支援局建設技術企画課の池ケ谷規文課長を選出した。

 公共事業の電子契約では、受発注者の事務負担を軽減するため、当初の契約、契約変更、検査、支払い請求などを電子システムで行う。中央省庁が先行し、国土交通省と農林水産省、防衛省、内閣府(沖縄総合事務局)の4府省がシステムを共同開発し、昨年夏から試行を始めた。地方公共団体レベルでは電子契約の検討体制がないため、新たに研究会を設立することにした。

 具体的な検討作業は、法令・運用に関する課題などを情報共有する「運用検討ワーキンググループ」、中央省庁の要件定義書を基に、各団体が共通で使える汎用的な要件定義資料を作成する「要件検討ワーキンググループ」で進める。

 20年度の予算要求にも対応できるよう、19年度上期中に要件定義資料をまとめたい考え。

 参加団体は▽岩手県▽秋田県▽福島県▽群馬県▽千葉県▽新潟県▽富山県▽石川県▽山梨県▽長野県▽岐阜県▽静岡県▽滋賀県▽京都府▽大阪府▽兵庫県▽和歌山県▽広島県▽高知県▽佐賀県▽宮崎県▽横浜市▽相模原市▽静岡市▽浜松市▽北九州市▽福岡市―の27団体。

 オブザーバーとして日本建設情報総合センター、NTTデータ、東芝デジタルソリューションズ、日本電気、富士通が参加。研究会に情報提供などを行う。

 事務局は静岡県交通基盤部建設技術企画課。これまでに全都道府県と政令市に参加を呼び掛けており、新たな参加団体やオブザーバーを受け付ける。

■電子契約導入の必要、半数が今後判断

 自治体電子契約研究会は2月12日に開いた設立総会で、電子契約への取り組みについて参加団体を対象に行った事前アンケートの結果を明らかにした。21団体が回答。対応状況に関する質問で、導入が必要だとして「検討に着手している」のは1団体だけだった。半数を越える11団体が「導入の必要について、研究会活動などを踏まえて判断する」と回答した。

 対応状況についてはこのほか、5団体が「導入が必要と考えているが、具体的な検討は行っていない」、4団体が「対応は未定」と答えた。

 現時点で導入が必要だと考えている団体に導入想定時期を聞いたところ、いずれも回答は「未定」だった。

 契約管理システムなどとの連携については、11団体が「必須」、8団体が「ある方が望ましい」とした。

 また、市町村などとの共同利用に関して、2団体が「必須」、12団体が「ある方が望ましい」としたが、「不要」も4団体あった。