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津波避難施設に18億円を計上 デッキや盛土高台整備へ

 宮崎県は2月14日に公表した平成31年度(2019年度)当初予算案に、総合運動公園(宮崎市熊野)の津波避難施設整備事業として18億4000万円を盛り込んだ。南海トラフなど最大クラスの地震による津波の発生に備え、敷地内の各エリアに避難デッキや盛土高台等の避難施設を整備する。各施設の設計業務等が進められており、平成31~32年度に建設工事を行う方針でいる。

 「スポーツランドみやざき」の中心施設である総合運動公園は、年間約139万人が利用しており、二巡目国体に向けて更なる利用者の増加が見込まれる。一方で、今後30年以内に大地震が発生する可能性が高まっていることから、避難困難者が生じる可能性がある敷地内の各エリアに新たな津波避難施設を整備する。

 全体計画は、サンマリンスタジアムを中心とするAエリアに避難デッキ2基と連絡橋、第一陸上競技場を中心とするBエリアに盛土構造の避難高台、テニスコートや運動広場を中心とするCエリアに避難デッキ2基を整備するもの。県では、これらの施設整備に係る概算事業費を約42億円~62億円と試算する。

 Aエリアの避難デッキは、スタジアム1塁側と3塁側の内外野スタンド連絡部にそれぞれ設置。施設はいずれも2階建、延床面積は各840m2程度で、施設の床高は地表面から8m以上を確保する。収容人数は合わせて2900人以上。避難デッキは、雨天時の屋根付きイベントスペース等としても活用する。

 Aエリアにはこのほか、補助球技場や自転車競技場等とサンマリンスタジアムを繋ぐ連絡橋(8m×15m)も整備する。計画では、31年度に3塁側避難デッキ、32年度に1塁側避難デッキと連絡橋の建設工事を行う見通しでいる。

 Bエリアに整備する盛土構造の高台の規模は35m×360m程度。浸水深7mに余裕高2mを加えて高さを9m程度とする。避難可能人数は2万5000人程度。他工事の残土活用などを見据え、事業費は約18億円~38億円と幅を持たせて概算している。建設工事は31年度~32年度の2箇年で行う方針。

 Cエリアの避難デッキは、テニスコート南側と運動広場西側の2箇所に分散して整備する。いずれも2階建で、延床面積はそれぞれ720m2程度、960m2程度。Aエリア同様、施設の床高は地表面から8m以上を確保する。収容人数は合わせて3300人以上。31年度にテニスコート側、32年度に運動広場側の建設工事を行う。