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技能実習生と企業に登録義務 キャリアアップシステム

 国土交通省は、建設分野の技能実習生と受入企業に建設キャリアアップシステムへの登録を義務付けることを決めた。外国人労働者の新たな在留資格「特定技能」を創設する改正出入国管理法の審議で、技能実習生の失踪や待遇が問題視されたことを受けた措置。7月1日以降に技能実習計画の認定を申請する受入企業にシステムへの事業者登録、技能実習生に技能者登録を義務付け、建設分野で独自の監理体制を構築する。

 建設分野の外国人技能実習生は、11年10月末時点で6791人が現場に従事していたが、18年10月末時点には4万5990人と6.7倍に急増している。特に15年度以降、年間1万人前後のペースで増加している。

 昨年12月に成立した改正出入国管理法の審議では、失踪する技能実習生の増加や、失踪した技能実習生の不法就労などが問題視され、関係機関に厳格な対応を求める付帯決議が行われた。失踪者が増加している要因の一つとして報酬額も課題に指摘されている。

 技能者一人一人にIDを与え、各現場で就労履歴を蓄積できる建設キャリアアップシステムへの登録を義務化することで、失踪者の減少や安定的な報酬の支払いにつなげる。

 既に、改正出入国管理法で創設される特定技能1号・2号の外国人労働者と受入企業には、建設キャリアアップシステムへの登録を義務付けることも決まっている。

 技能実習の修了者は、特定技能1号の在留資格を取得する際、その他の外国人に求められる試験を受ける必要がない。当面の間、特定技能1号の在留資格は技能実習からの移行者が取得することが多いとみられる。技能実習制度が新在留資格と連続した制度として運用されるため、システム登録への義務も同様に課すことにする。

 国交省は技能実習生にシステム登録を義務付ける新たな受入基準を告示として位置付ける。合わせて、20年度末までの時限措置として実施している「外国人建設就労者受入事業」でも、システム登録を義務化する。いずれも、既に在留資格を取得し、日本に滞在している外国人材は対象とせず、7月1日以降に技能実習計画と適正管理計画の認定を申請する企業・外国人材を対象とする。