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投資的経費は前年比17%増 宮崎県の31年度当初予算案

 宮崎県は2月14日、一般会計予算額を5955億2000万円とする平成31年度(2019年度)当初予算案の概要を発表した。昨年12月に行われた知事選挙の影響を考慮し、当初予算案は骨格予算として編成したが、防災・減災、国土強靱化対策費を盛り込んだことから、一般会計は前年度比で2.4%増(137億3000万円増)となる。一般会計のうち、普通建設事業費と災害復旧事業費で構成する投資的経費は1241億1521万円で、前年度比17.2%(182億2863万円)の大幅増となった。

 平成31年度当初予算案は、優先度の高い施策の構築や後年度負担の軽減を基本方針とする骨格予算として編成。厳しい財政状況の中、本県が抱える課題に適確に対応するため、①未来を担う人財の育成・確保②関係人口の創出と観光・交流の拡大③安全・安心な暮らしの確保④更なる発展に向けた力強い産業づくりと交通・物流基盤の充実―の各視点に基づく優先度の高い施策を積極的に推進する。

 一方で、国の平成31年度当初予算案が、消費税率引上げによる経済への影響を考慮した編成となっていることなどを踏まえ、年間を通して必要となる経費を計上した「骨太の骨格予算」として編成を行った。また、平成30年12月14日に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の必要額も計上した。

 当初予算案の一般会計予算額は、防災・減災、国土強靱化対策に係る普通建設事業費の増額等により、前年度比2.4%増の5955億2000万円。また、特別会計の総額は2368億6160万円で同7.1%(156億6126万円)の増額、公営企業会計の総額は499億0811万円で同0.2%(1億1475万円)の減額となった。

 一般会計の歳出予算を性質別に見ると、人件費や公債費が減少した義務的経費は前年度比0.9%減の2457億8692万円。普通建設事業費が増加した投資的経費は1241億1521万円で、前年度比17.2%の大幅増となった。積立金や貸付金が減少した一般行政経費は同1.0%減の2256億1786万円。

 投資的経費の内訳は、普通建設事業費が1087億4009万円(前年度比20.1%増)、災害復旧事業費が前年度と同額の153億7512万円。普通建設事業費の内訳は▽補助事業756億8521万円(同29.5%増)▽単独事業257億3774万円(同17.6%増)▽直轄事業負担金73億1712万円(同28.1%減)。

 このほか、特別会計では、公共用地取得事業に8億3272万円(同2.5%増)、港湾整備事業に9億1371万円(同15.1%減)などを計上。公営企業会計では、電気事業に68億8118万円(同11.5%減)、工業用水道事業に8億2374万円(同22.0%増)、県立病院事業に421億5883万円(同1.5%増)などを計上した。

■防災・減災、国土強靱化対策費に170億

 西日本豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震など昨夏以降に頻発した自然災害を受け、昨年12月14日に防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策が閣議決定された。30年度から32年度までに事業費7兆円を投じ、防災や国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持に向けたソフト・ハード対策を各地で集中的に講じる。

 宮崎県の平成31年度当初予算案では、防災・減災、国土強靱化対策に係る費用(補助公共・交付金事業)として170億9200万円を盛り込んだ。対策費の内訳は、「河川、砂防、道路等の防災・減災対策」に143億4100万円、「ため池、治山施設、森林、漁港等の防災・減災対策」に27億5100万円。

 具体的には、橋梁の耐震補強や道路法面の防災対策等に65億8300万円、河道内の樹木伐採・掘削や堤防強化等に59億1900万円、道路の冠水対策や無電柱化に8億3200万円、港湾の岸壁耐震化等に5億3100万円、土砂災害防止のための砂防堰堤の整備に4億7700万円、治山施設の整備に13億円、漁港施設の補強に7億8700万円、防災重点ため池の改修等に6億6500万円を充てる。

当初予算案の概要